記者会見する日銀の黒田総裁(写真:共同通信)

 日銀は7月16日、金融政策決定会合で気候変動への対応を支援する新たな資金供給制度の骨子素案を公表した。黒田東彦総裁は同日開いた記者会見で「(気候変動は)長期かつ大幅に経済金融システムに影響を与える。企業が(関連する)投資をやりやすくすることで、リスクを下げることができる」と意義を強調した。

 新たな制度は一見すると、世界的な脱炭素の流れを受けた「善い」取り組みにも思えるが、実は専門家の間では議論が割れている微妙な問題だ。

 通称「グリーンオペ」。気候変動対応を支援するための資金供給は最近、日銀ウオッチャーの間でこう呼ばれている。従来の「成長基盤強化支援資金供給制度が2022年6月で終了するのに合わせた後継策」と日銀は説明しており、民間の資金需要喚起を後押しするのが目的だ。

 金融機関が気候変動対応に関わる企業や事業に貸し出す資金を、日銀が金利ゼロ%で金融機関に貸し出す。借り入れが増えれば、マイナス金利の負担軽減にもつながる立て付けだ。「民間における気候変動への対応を支援していくことは、長い目で見たマクロ経済の安定に資する」という。巡り巡って、経済成長の安定や物価の安定に役立つとの考え方だ。

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