日本を代表する企業、トヨタ自動車の株価が6月15日に1万円の大台に乗せ、上場来高値を更新した。足元で業績の回復期待が高まっていることに加え、中長期的に電気自動車(EV)の強化を打ち出したことが市場で評価されている。だがこの間、EV専業の米テスラ株の株価は逆に下落基調だ。「トヨタ株1万円」の意味するところは何なのだろうか。

 3月以降8000円台前半で推移していた株価が騰勢を強めたのは5月半ば以降のことだ。5月半ばといえば2021年3月期の決算発表があった頃。発表では、22年3月期の営業利益が前期比14%増の2兆5000億円になるとの見通しが明らかになった。新型コロナウイルスや半導体不足の影響を受けつつも、業績が着実に回復していることを印象づけた。

水素エンジンを搭載したレースカーと記念撮影するトヨタ自動車の豊田章男社長(前列右、写真:共同通信)

 加えて、30年にEVや燃料電池車(FCV)の世界販売を200万台にする電動化戦略の強化方針を示したこともポイントだ。EVの開発期間を既存車より4割短くすること目指し、効率化を進めるという。

 それまで市場では、トヨタの電動化戦略はやや保守的との見方が強かった。自動車関連株を主に手掛ける国内運用会社のファンドマネジャーは春先に「現行のハイブリッド車でできるだけ稼ぐという意図はわかるが、将来の成長性という観点では出遅れそう。積極的には買いにくい」と話していた。

 この認識が大きく変わりつつある。

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