政策修正への思惑がかつてなく高まっていた日銀だが、18日の金融政策決定会合では、緩和政策を維持し、またしても市場の逆を行った。何も動かなかったわけではない。12月の前回会合以来高まっていた国債の売り圧力を和らげるため、「奇策」を打ち出した。果たして長期金利の抑制というソフトランディングは成功するのか。
正午前の日銀の発表を受け、緩和の修正を見込んでいた金融市場は「逆回転」した。外国為替市場では円安が進み、午前中の1ドル=128円台から、発表直後に一時131円台まで下落した。株価は上昇。日経平均株価の終値は2.5%高の2万6791円となった。金融政策の直接の影響を受けている国債市場では、午前に0.5%を超えていた長期金利(10年物国債利回り)が一時0.360%まで低下(国債価格は上昇)した。

単なる逆回転ではない。ポイントは公表文の「2の③」にある「共通担保資金供給オペ」の拡充だ。このオペは、金融機関が持つ国債や社債を担保に、日銀が低利で資金を貸し付けるもの。これまで期間2年・金利0%で行われていた同オペを、今後は「10年以内の期間」で「年限ごとの国債の市場実勢相場を踏まえ、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促す観点から、貸し付けのつど決定する利率」で実行するという。
何のことか分かりにくいが、市場では「市場に低金利で資金を供給し、国債を購入するインセンティブを与える狙いだろう」(大和証券の末廣徹チーフエコノミスト)との見方が広がった。
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