スーパーマーケットに並ぶ生鮮食品からマンション、株価に至るまで、あらゆる経済活動には値段が付き、市場(マーケット)が形作られる。そこに織り込まれているのはいったい何なのか。マーケットの目線を手掛かりに、経済の「いま」と「これから」を読む。(写真:DPA/共同通信イメージズ)
Focus 20
三田敬大のマーケット目線で読む世界

36回
-
資産運用で首位奪取、立役者は積み立て投資 三菱UFJ国際投信横川社長
資産運用業界が歴史的な転換期にある。2022年10月には三菱UFJ国際投信が公募株式投信の預かり資産残高で10兆7000億円となり、15年7月の発足後初めて首位に浮上した。積み立て投資や若い世代の流入が進んできたことが一…
-
日銀が繰り出した「奇策」、銀行などに国債購入促す資金供給
政策修正への思惑がかつてなく高まっていた日銀だが、18日の金融政策決定会合では、緩和政策を維持し、またしても市場の逆を行った。何も動かなかったわけではない。12月の前回会合以来高まっていた国債の売り圧力を和らげるため、「…
-
テスラ株、急落の「メカニズム」 利上げ・競争激化・インフレの三重苦
米テスラの株価が急落している。2020年3月に一時23ドルだった株価は21年11月には400ドルを超えた。22年9月にはなお300ドル前後と持ちこたえていたが、そこから急落。23年1月には110ドル(5日時点)にまで落ち…
-
事実上の利上げも「中長期で円安圧力は不変」 みずほ銀の唐鎌氏
2022年の日本経済にとって、外国為替市場で一時1ドル=151円台まで進んだ円安は間違いなく大事件だった。年間の値幅は38円にもなり、年末にかけて130円近くまで戻るという「乱高下」だ。みずほ銀行で外為市場の分析を手掛け…
-
ソフトバンクG・孫氏の春はいつ? 「アリババ貯金」取り崩し
ソフトバンクグループの「冬ごもり」が長期化しそうだ。2022年4~9月期決算は最終損益の赤字が大幅に縮小したが、主因は保有するアリババ株の一部売却に由来する一時的なもの。「当面の間は最後になる」と決算説明会での登壇を取り…
-
財政膨張が招く円安とインフレ、英国は「他山の石」 パリバ河野氏
金融市場で最大の関心事は、主要国のインフレがいつ沈静化し、米国の金融政策の利上げがいつ打ち止めになるか。だが、BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、財政拡大がインフレを助長し、インフレが収まらず、財政への信認…
-
為替介入「3兆円」の費用対効果 政府VS市場、複雑さ増す心理戦
政府は9月22日、24年ぶりの円買い介入に踏み切った。ただ、連休を挟んで翌週には再び円安が進み、26日には介入前の円安水準である144円台に戻ってしまった。外国為替市場で何が起きているのか。
-
円の価値、半世紀ぶり低水準 反転は年明けまでお預けか
外為市場に歴史的な円安局面が訪れている。9月7日には一時1ドル=144円という24年ぶりの水準をつけた。総合的な実力を示す実質実効為替レートに至っては、既に半世紀ぶりの低水準だ。投機筋の心理と実需の両面で根深い円売り材料…
-
崩れる物価の「安定」 日本に本格インフレは来るか
金融緩和によって経済の下支えが必要だとして政策を維持する日銀。ただ、足元で生じている物価上昇(インフレ)は、中央銀行のもう1つの使命である「物価の安定」を崩しているのではないか――。こんな見方が専門家の間で浮上している。
-
底入れ見えぬソフトバンクG 孫氏、ビジョンファンドで大リストラ
ソフトバンクGの投資会社化にブレーキがかかった。インフレなど世界経済の先行き不安を背景にした株安で、出資したユニコーン企業の株価も大きく下落したためだ。会計上の利益が過去最悪に陥っただけでなく、これまでの累積的なユニコー…
-
乱高下のドル円相場 円は底打ちも、資源価格の行方が分岐点に
円の対ドル相場が乱高下している。7月14日には一時、24年ぶりの円安水準である1ドル=139円台をつけたが、その後は1カ月も経たないうちに一時130円台まで円高方向に振れた。シティグループ証券でチーフFXストラテジストを…
-
世界の利上げ連鎖で円安相場が再起動か 次の節目はどこに
世界的な利上げの流れが強まるなか、日銀は金融緩和の継続を決めた。24年ぶりの円安ムードは、1ドル140円の実現が視野に入ってきたが、賞味期限は短い可能性もある。外為投資の観点では、米経済動向と国内政治、双方への目配りが重…
-
ソフトバンクG「ユニコーン投資4分の1に減速も」 後藤CFOに聞く
2022年3月期に1兆7000億円もの巨額赤字を計上したソフトバンクグループ。ユニコーン企業の経営環境や株式市場が悪化するなか、後藤芳光CFOは日経ビジネスのインタビューで「22年度のユニコーン投資は4分の1にペースダウ…
-
ロシア国債「デフォルト」認定でも通貨ルーブルが底堅いワケ
ロシアのドル建て国債が「不履行」認定された。外国からの資金調達は一段と困難になったはずだが、通貨ルーブルは堅調だ。主要国による金融経済制裁とロシアの「対抗策」がせめぎ合いをみせている。
-
止まらない円安は「歴史的転換の可能性」 日本経済に構造改革迫る
円の対ドル相場が約20年ぶりの安値圏にある。みずほ銀行でチーフマーケット・エコノミストを務める唐鎌大輔氏は、長期的な円高トレンドが、円安トレンドに転換した可能性があると分析する。
-
20年ぶり128円台 「悪い円安」巡り市場と当局がつばぜり合い
急激な円安が波紋を広げている。円相場は市場原理で決まるものだとして距離を置く当局も、「悪い円安」との認識を示すなどトーンが明らかに変わってきた。円安はどこまで進むのか、政策で対応できる余地はあるのか。市場と当局のつばぜり…
-
迫るスタグフレーションの足音 コスト増の転嫁、業界により明暗も
資源高や供給制約を背景に企業の調達コストが上昇している。企業間で取引する物価の動向を示す企業物価指数はオイルショック以来の高水準が続く。川下への価格転嫁が進まなければ企業収益の足かせになる一方、最終製品への転嫁が進んでも…
-
四半期開示、目標は達成できず 「見直しは新しい資本主義に合致」
反対論の根強い四半期開示の見直しは、果たして正確なデータに基づいて判断できているのか。早稲田大学のスズキ・トモ教授は「欧州企業では効率的な資源配分の結果、既に減少が進んだのが実態」だと指摘する。
-
日銀、「指し値オペ」が呼び込む円安 くすぶる政策修正の思惑
日銀が大規模な金融緩和政策の修正に動くかもしれない――。こんな思惑が改めて強まっている。手掛かりはドル円相場、物価上昇圧力の高まり、日銀の政策決定ポストの顔ぶれ、の3点にある。
-
ウクライナ危機下でも株価上昇 市場から探る「逆境に強い会社」
ロシアのウクライナ侵攻は、欧米や日本など主要国が大規模な経済制裁に乗り出したことで、世界経済に大ダメージ必至の事態となった。そんな先行き不透明ななかでも、株式市場では投資家が期待する逆行高銘柄が存在する。
WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回