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『ドラゴン桜2』2巻11限目 ©Norifusa Mita/Cork
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 早瀬の場合は、幸運にも東大専科で桜木建二(阿部寛)によるスパルタ指導を受け、「頑張れる自分」を見つけられたようです。でも、もし桜木と出会っていなかったら、本人の器用さが裏目に出て、表面的にはうまく立ち回りながらも、“それなりの人生”に甘んじていたかもしれませんね。

 実際、早瀬のような若者は、会社組織にも多いのではないでしょうか。

「がむしゃらに働く」は、もう古い!?

 石の上にも三年――。以前はそんな言葉もありました。でも、今の若い人にとっては、すでに死語なのかもしれませんね。

 昔は、与えられた仕事を我武者羅(これも死語!)にやって、ビジネスの基本を徹底的に仕込まれるのが新人の“仕事”でしたが、今は効率的に要領よくやりたい傾向が強いためか、地道で基礎的な仕事は避けたがる若手社員が多いようです。

 それに、基礎的な仕事は派遣社員や外部委託に任せるケースが多いので、若手社員が仕事の基礎を身に付ける機会自体も減っています。

 そのうえ、今は上司も若手社員に強く指導することができません。桜木のように部下を叱責しようものなら、「パワハラ疑惑」をかけられるか、部下に会社を辞められるのがオチです。

 部下の成長のためには「気づきを与える」ことが重要なのですが、「腫れものに触る」ようにしか彼らに接することができずに、アドバイスしたくてもできない、言いたくても言えない経営者や上司、先輩がたくさんいるのです。

 今の時代、仕事が嫌だと思えば、転職してもいいし、何なら会社を辞めて、フリーターになってもいい。特に人生の目的がなくても、生きていくことができます。
 そこそこに働けば食べていけるので、誰も困らないし、本人も困りません。

 邪魔くさそうなことは、後回しにするか、放っておく。つまり、特に深く考えなくても生きていける時代です。
 「いい時代」と言えば、その通りかもしれませんが、「本当にいい時代なのかなぁ」と疑問に思うオヤジ世代なのです。

 こうした“そこそこ世代”の育成に苦慮している企業は多いのではないでしょうか。「がむしゃらに働くのはもう時代遅れ」なんていう口当たりのいい言葉に惑わされて、若い世代は自分が望むように成長できず、企業も競争力を失っていく……。そんな未来しか想像できないのは、私だけではないはず。

 「イマドキの若者は……」と言えば若者世代に煙たがられるのは承知のうえで、今回は連載の番外編として、イマドキの若者の未来と、彼らが担う会社の未来を憂うオヤジ世代の声を代弁しつつ、今後の若手育成に関する提言を行ってみたいと思います。

成長するために、20代が「すべきこと」とは?

 一代で世界規模の企業をつくり上げた創業経営者に、「20代の意味を考えたことがあるか?」と質問されたことがあります。

 また、マスコミによく登場する大学教授にも、こう言われました。

 「20代は2つ3つ転職するくらい様々な体験をするのがいい。30代は家庭を築いたり土台を固めたりする時期で、その間に醸成させる。その結果として40代から花開くんだ。つまり、人の価値が問われるのは、40代からだ」

 お二人の真意を私なりに解釈すると、「20代は体力があり、独身で守るモノもそれほどない時期だからこそ、徹底して『働く』『勉強する』『遊ぶ』ことで、脳と体を鍛えろ(汗をかけ)。そうやって“自分の使命”を見つけろ」ということではないかと思います。

 ここで、20代の特徴を私なりにまとめてみました。

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