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 物語はいよいよクライマックスに差し掛かってきました。

 テレビドラマ、日曜劇場「ドラゴン桜」では、東大専科の7人がついに共通テストに挑みました。本番を目前にして、緊張から弱音を吐きそうになる生徒たち。桜木建二(阿部寛)は、生徒たちを奮い立たせるために、「東大に入学してやりたいこと」を発表させるのです。

 バドミントンに情熱を傾けてきた岩崎楓(平手友梨奈)は、「スポーツ医学の道に進み、世界を目指すアスリートを支えたい」と答えます。

 虫が大好きな原健太(細田佳央太)は、「研究者になって、虫と人間が共生できる世界を作りたい」。

 楽天的な性格の早瀬菜緒(南沙良)は、「東大で様々な人と出会い、やりたいことを探したい」。

 実は、この3人の発言から、彼らがどのような個性を持ち、また将来どのような人生を歩んでいくのか、ある程度予測することができます。人の個性を分析するFFS理論(開発者:小林惠智博士、詳しくはこちら)で考察すると、その人の個性を発揮して充実した人生を送ることができるのか、そうでないのかが分かるのです。

 どういうことなのか、これから説明していきましょう。

拡散性は「面白いことをしたい」

 楓と健太は、それぞれやりたいことがはっきりしています。彼らのように、明確な目的を持ちやすいのは、FFS理論で言うところの「拡散性」の高い人の特徴です。

 「拡散性」の高い人は、基本的に「面白いことをしたい」という気持ちが強く、興味の赴くままに動きます。常にワクワクできることを探していて、「ワクワクできること」がそのまま目的になる、というわけです。

 楓と健太については、前回、「夏休みの過ごし方」をタイプ別に解説した際にも、「拡散性」の高いタイプと分析していました。今回、2人が東大でやりたいことをはっきり述べたことからも、「拡散性」の高さが裏付けられたと言えます。

 一方の早瀬も、これまで「拡散性」の高いタイプとして紹介してきました。ただし、今回のエピソードを見ると、早瀬はまだ、東大でやりたいことが明確ではないようです。

 目的が明確でないとき、「拡散性」の高い人は、「探している」「追い求めている」という表現をよく使います。ワクワクしたいのに、ワクワクできることが見つからない。「何かワクワクできることはないかなぁ」という感じなのです。

 「東大でやりたいことを探す」と話す早瀬も、恐らくこのような心境なのでしょう。

『ドラゴン桜2』7巻49限目 ©Norifusa Mita/Cork

 「拡散性」の高い早瀬が、東大に行く目的を見つけられていないのは、彼女の育った環境も関係しているのかもしれません。

 早瀬は家庭環境にも恵まれ、愛情深い両親のもと、特に苦労せずに育ちました。自分が幸せであることに気づかないくらい、幸せな生活を送っています。まぁ、言ってみれば“平々凡々”と生きてきたわけです。挫折を乗り越えた経験もないため、専科に入ってからも、模試の結果が悪いとすぐに「東大受験をやめる」と逃げ出そうとする始末。

 この刺激のない毎日が、やりたいことを見つけられなかった理由かもしれません。

 ところが、桜木に出会い、「覚悟を決めろ」「運に乗れ」と叱咤(しった)激励されるうちに、早瀬も少しずつ変わり始めました。まだ東大に行く目的は定まってはいませんが、「やりたいことを見つけたい」という衝動は湧いているようです。桜木との出会いは、「拡散性」が本来求めるワクワク感を刺激するには十分だったのでしょう。

続きを読む 2/5 ワクワクできない「拡散性」の末路とは?