ちなみに早瀬は、FFS理論で分析すると、飽きっぽく、雑な性格から、「拡散性」が高いタイプだと推測できます。

 「拡散性」の高い人は、自分のことを「運がいい」と思いやすいはずなのに、なぜ早瀬はそうではないのでしょうか。

 「拡散性」は周囲と自分を比較しないので、恐らく早瀬は、周りと比べて「自分には運がない」と思っているわけではないでしょう。

 それよりも、「拡散性」の特性として、自分がワクワクすることをしたいのに、「ワクワクできていない」ことを“運がない”と思っているのではないでしょうか。

 同じ東大専科の天野晃一郎(加藤清史郎)に、「十分に好きなことをしている」と思われていることすら、自覚していないのです。

「保全性」が運をつかむにはどうするか

 ここまで読んで、「自分は『保全性』が高いから、運をつかむのは難しいのか……」と落胆した人がいるかもしれません。

 でも、大丈夫です。「保全性」の高い人も、運をつかむことはできます。

 “ツイている人”になるには、保全性の「強みを活かす」ことです。

 「保全性」の高い人は、「不確定要素を嫌う傾向がある」と述べました。
 これは裏を返せば、不確定要素を減らすためなら何でもする。つまり、不確定要素が多い場合に、情報を集めたり、整理整頓したりして、居心地よくすることが得意なのです。

 だとすれば、「新しいこと」や「不確定なこと」「過去にできなかったこと」から逃げ続け、挑戦を避け続けるのは、強みを活かすことにはなりません。

 避けるのではなく、あえて未知なる混沌の中に飛び込んでみましょう。最初は小さな一歩で構いません。そして、持ち前の情報収集力や整理整頓力を活かして、カオス状態を整理していきます。不確定要素が取り除かれれば、不安はなくなります。

 そうやって「なんとかしてきた」経験を積み重ねることで、次に似たような場面に遭遇したときに、「前回と同じようにやれば大丈夫」と思えれば、飛び込みやすくなります。

 また、経験を重ねるほど、失敗しないための事前準備や、先を見通す能力も磨かれていきます。

 これらのことを徹底して、結果的に「失敗しようがない」状態にしていくことで、安心・安全が担保されます。そうすれば、目の前にチャンスが現れたときに、逃げずにつかみにいくことができ、成功を収めることができるでしょう。

 もちろん、私たちが直面するのは、簡単に整理できたり、想定できたりすることばかりではありません。

 しかし、一つのことを体系化しておけば、それは「何かしら使える」モノです。

 この世の中は複雑ですが、無軌道とまではいきません。ある程度の秩序で動いているとすれば、少し時間はかかるかもしれませんが、体系化したモノをアレンジすることで、混沌とした状況を整理整頓でき、先を見通せるはずです。

 そのうえで、「自分には自信がある」「運があるから何とかなる」と暗示をかけておけば、ある程度の“見通しが立つ”まで不安なく待てるのです。見通しが立ったら、迷わず手を伸ばしましょう。

 もし、本当に無軌道なテーマに遭遇したら?

 そのときは「拡散性」の高い人に振ればいいんです。「無理なモノは無理。すべて自分だけで背負い込む必要はない」と悟り、自分の強みを活かすためにも、自分の弱みを補完してくれる人とタッグを組み、その補完役に活躍してもらいましょう。

次ページ いつまでも運のない「拡散性」へのアドバイス