そんなときに桜木が登場して、「東大合格」を強く発信したことから、背中を押されることになりました。

『ドラゴン桜2』3限目より © Norifusa Mita / Cork
『ドラゴン桜2』3限目より © Norifusa Mita / Cork
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 これまで、本気で自分の背中を押してくれた大人は、天野くんの周囲にはいませんでした。だからこそ、心動かされて「変えてみよう」となったのです。

 子どもにとって、大人が本気で関わってくれる体験は、そうそうにあるわけではありません。精々部活で味わえるかどうかです。最近は、すぐに「何々ハラスメント」と言われるご時世ですから、先生やコーチやインストラクターたちが本気度を示すこともリスクがあるようです。

 天野くんは真面目であるが故に、「このままでいいわけがない」と、考えてはいたのです。そのタイミングで、桜木と出会ったのです。

「ゼロリセット」が得意な人、不得手な人がいる

 自分を「ゼロリセットする」ことは、「保全性」の高い人にしてみれば、とても不安で仕方のない行為です。「保全性」の最大のよりどころは、自分がこれまで積み上げてきた実績であり、方法論なのですから。しかし、自分のちっぽけな積み上げよりも、桜木の指導の仕方に「可能性を信じた」のです。「変えてやろう」と本気になれたのです。

 一方で「拡散性」が高い人の場合は、「面白そう」と感じたら、過去にあまりこだわりません。「この先にどんな興味深いことが待っているのか」を、たっぷり説明してあげればいいのです。

 簡単にまとめておきましょう。

 保全性の場合は、「分からなくてもなかなか言い出せない」とお伝えしましたね。「この子は保全性が高いんだな」と感じた子が、首を捻ることが多いと気が付いたら、その子の不安が消えるまで、丁寧に学びの段階を戻して付き合ってあげることです。そして決して「遅いぞ」と言わないこと。基本はまず「それでいいんだよ」ですね。

 拡散性は、「やればできる」と思っていますので、それは「いつなの」と言って反発を買うよりも、話題を変えて「面白そう」と思わせることです。火がついたら勝手に調べ始めるでしょう。

 最初の話に戻ります。
 我々大人が、子どもが勉強嫌いにならないために、どう接してあげるといいでしょうか?  親でも先生でも、子どもの個性と、そして個性に合わせた勉強の仕方を知ることでしょう。

 つまり、勉強ができない子どもの原因は、大人側にあるのですから……。

© Norifusa Mita / Cork
(構成:前田 はるみ

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