口臭を防ぐには、朝食をとろう

 ところで、口臭はどんなときに強くなりやすいのだろう。

 口臭には、生理的なものと病的なものがある。生理的なものは、口臭の主な原因として紹介したように、剥がれ落ちた古い細胞が細菌に分解され、においのもととなる物質が発生するものだ。これは、誰にでも起こる可能性がある。

 生理的口臭は、朝起きたときに一番強く、食事、水を飲む、歯みがきなどを行うと口臭レベルが落ちる。だから、起床時に高かった口臭レベルが朝食後にはいったん減り、徐々にまた高くなって、食事をするとまた減るというサイクルを一日の中で繰り返す。

 「朝食を抜くと、朝起きたときから昼食を食べるまでに、口臭はどんどん強くなります」と亀山さん。「口臭を防ぐには、朝食をきちんととることも大切です」とのことだ。

朝食を抜くと口臭レベルは高いまま
朝食を抜くと口臭レベルは高いまま
食事をすると口臭レベルは下がる。つまり、朝食を抜くと昼食をとるまで口臭レベルは高いままになる。(Fukui Y et al. Diurnal changes in oral malodour among dental-office workers. Int Dent J 2008; 58: 159-166.)

 口臭は唾液の量とも関係がある。試験前などで緊張すると唾液量が減り、口臭が出やすくなる。また、口臭はホルモンバランスでも変動する。女性は月経時にはストレス物質が唾液中に増え、唾液の量も減る。そのため、月経前から月経時には口臭レベルが高くなる。

 病的な口臭の原因としては、主に歯周病がある。

 「歯茎が腫れている人は、歯科医を受診してきちんと治療してください。私たちが過去に調べたデータでは、歯周病の治療で歯石を除去するだけでも、口臭のレベルは明らかに低下します」と亀山さんは言う。

 胃が悪いと口臭があるとよく言われるが、これは事実のようだ。胃のびらん(炎症)がある人は、舌についているコケのようなものが厚く黄色い傾向がある。飲酒や喫煙習慣がある人には特に多く見られることから、このような胃の不調が口臭に関係しているのかもしれない。ただ、胃のにおいが直接口の中に上がってくるということはない。

マウスウォッシュで口臭を減らせるか?

 マウスウォッシュのようなケアグッズを使えば、口臭を減らせるだろうか。

 市販のマウスウォッシュには、CPC(塩化セチルピリジニウム)という殺菌成分が含まれているものが多い。

 「単純にマウスウォッシュだけで口臭が減るとは、考えられません。ただ、歯みがきでしっかり口の中の細菌を落としたあとに、このような強い殺菌効果があるマウスウォッシュを使うと、非常に有効だと思います。舌ブラシのようなもので舌につくコケのようなものをしっかり落とすことも有効です」と亀山さんは紹介する。

 明らかに口臭を減らすという成分を含むマウスウォッシュもある。塩化亜鉛は、口臭のもととなる硫化水素やメチルメルカプタンを使用後2時間くらいは減らしたという実験データがある。グルコン酸銅は、使用直後から硫化水素やメチルメルカプタンの量を大きく減らしたというデータもある。口臭をしっかり防ぎたいときは、このような口臭に特化したマウスウォッシュを使うのもいいだろう。ただ、本当に口臭に悩んでいるのなら、口臭外来を一度受診したほうがいい。

 「実際に口臭があるかどうかは、自分では分かりません。口臭が強いかもしれないと悩むなら、専門の医療機関を受診してください。大学の付属病院には、口臭を扱う専門外来等がたくさんあるので、そういうところを利用するといいでしょう」(亀山さん)

(図版 増田真一)

亀山敦史(かめやま あつし)さん 松本歯科大学 歯科保存学講座 教授。松本歯科大学病院 副歯科病院長・息フレッシュ外来主任
亀山敦史(かめやま あつし)さん 1997年東京歯科大学卒業。2012年東京歯科大学准教授。東京歯科大学千葉病院、東京歯科大学水道橋病院などを経て、2019年現職に。

[日経Gooday(グッデイ)2021年11月25日掲載]情報は掲載時点のものです。

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