現代を生きる私たちにとって「ストレス対策」は、もはや自分を守るめの必須事項と言えるでしょう。この連載では毎回、ストレス対策の専門家の方々に、具体的な対応策をお聞きしてお伝えしています。今回は「レジリエンス(回復力)」について、前回に引き続き、杏林大学医学部精神神経科学教室 渡邊衡一郎教授にお話を伺います。
(写真はイメージ=123RF)
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Dr. 五十嵐 前回は、「回復力」「復元力」「弾力性」という意味を持つ「レジリエンス」について、どういうものなのか。どういう効果を発揮するのかについてお伝えしました。

 仮に、自分が何か強いストレスを受けて、気分が落ち込むようなことがあったとしても、「レジリエンス(回復力)」を身に付けていれば、そのストレスに「対抗できる」「跳ね返せる」という、その実例を渡邊先生にご紹介いただきました。

 例えば、イギリスでは2020年のコロナウイルス感染拡大以降、当初のロックダウン時には人々の不安が強く、うつの症状が現れる人も多数あり、その影響は大きいものだったと聞いています。

 しかし、やがて「時間の経過と共に、人々にレジリエンス力(回復力)がついて、徐々に状況に慣れ、不安やうつの症状が軽減していった」という研究結果や、「レジリエンス(回復力)が高い人ほど不安やストレスを受けにくい」という米国の研究結果などをご紹介いただきました。

 これらの例から、ストレスフルな現代社会を生きる我々にとって「レジリエンス(回復力)」は必要なものであり、ぜひとも身に付けたいものであると実感しました。今回も前回に続き、渡邊先生にレジリエンスについてお聞きします。

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