オバマ元大統領が日本人の「レジリエンス」を高評価

Dr. 渡邊 2011年の東日本大震災から1年ほどたった頃、当時の米国オバマ大統領 が日本人について「震災があって、想像を絶する喪失を経験しながら、とてつもない不屈の精神を持ち続ける日本の人達に感銘を受けている。日本人のレジリエンス(回復力)と、復興し以前にも増して強くなるという決意は、我々すべてにとって模範となる」と、当時、震災から立ち上がろうとする私たち日本人について、「レジリエンス」という言葉を用いて高く評価しています。

 そして、この東日本大震災のような、大きな震災に遭遇し、当初その影響を大きく受けたとしても、人間は徐々にその状況を受け入れて対応し、最も影響を強く受けた段階から徐々に抵抗する力を身につけて回復していくことも、わかってきています。それが次の図です。

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Dr. 渡邊 この図は、2020年に始まったコロナの流行によってロックダウンを余儀なくされたイギリスで、人々の「抑うつ症状(青線)」と「不安(赤線)」について、時系列で、その程度の変化を表したものです。

 ロックダウン開始当初は、うつや不安を訴えていた人々が多かったものの、小売店の営業再開や、公共娯楽施設の再オープンなど、時間の経過とともにロックダウンが緩和されると、徐々にうつや不安の症状は軽減していき、人々が状況に慣れていったことがわかります。ただ落ち込むだけではなく、抵抗する力がついてくるという、これも、レジリエンス力の表れであると考えられています。

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