現代を生きる私たちにとって「ストレス対策」は、もはや自分を守るための必須事項と言えるでしょう。この連載では毎回、ストレス対策分野の専門家の方々に、具体的な対応策をお聞きしてお伝えしています。今回は「レジリエンス(回復力)」について、杏林大学医学部精神神経科学教室 渡邊衡一郎教授にお話を伺いました。
(イラストはイメージ=123RF)
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Dr. 五十嵐 皆さんは「レジリエンス」という言葉をご存じでしょうか。この言葉は「ストレス」と同じく、もともとは物理学用語です。「ストレス」が「ゆがみ」や「ひずみ」を意味するのに対して、「レジリエンス」は「回復力」「復元力」「弾力性」という意味を持っています。

Dr. 渡邊 そうですね。仮に何かしらのストレスを受けて、気持ちや気分が落ち込んだり、さらに進んで「ゆがんだり、ひずんでしまった」ということがあったとしても、自分自身にレジリエンス(回復力)が備わっていれば、そのストレスを「跳ね返せる」、あるいはそのストレスを受けた状態から「回復できる」。レジリエンスは、そうした強い味方であると、とらえていただければと思います。

 実は、この「レジリエンス」という言葉は、昨年2021年の秋冬シーズンに衣料品メーカーのユニクロが、発熱素材のインナー衣料のCMで、「あなたがピンチのとき、内側から効いてくる力がある。レジリエンス=回復力」というキャッチコピーに用いて発信していました。このCMで「レジリエンス」という言葉を知った方も多いと思います。当時、既に、ちょうどコロナ禍の最中でしたから、「回復力」を意味する、この言葉は大変印象に残ったのではないでしょうか。

Dr. 五十嵐 なるほど。回復力という、その言葉通り「レジリエンス」は「ストレスに対抗する力」ということですね。

 では、それは具体的にどういうものでしょうか。また、どうしたら、我々は「レジリエンス=回復力」を身につけられるのか。そして、そもそも、いま自分にレジリエンス=回復力が、どのくらいあるかということは、わかるものなのでしょうか?

楽観力、冷静に物事をとらえる力、忍耐力など

Dr. 渡邊 はい。それらの質問にお答えする「レジリエンス・スケール(回復力を測る尺度)」というツールがあります。研究者が作成したものをネット上で検索できると思いますが、残念ながら著作権上の問題から、その具体的な文面をここに掲載することはできません。

 そこで、ここでは「おおよそ、こういうものだ」という例をお伝えします。

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