次に、コーヒーの摂取と死亡の関係についても同様に検討しました(表2)。年齢、性別、緑茶の摂取頻度、高血圧の有無、糖尿病の有無、BMI、喫煙習慣、飲酒習慣、運動習慣、精神的なストレスの有無、学歴、雇用状態、食習慣(野菜、魚、果物、大豆の摂取)などの要因を考慮して分析したところ、脳卒中または心筋梗塞の経験のない人々において、コーヒーの摂取量が多いほど死亡リスクが低くなる傾向が見られました。心筋梗塞の経験者にも同様の関係が認められました。死亡リスクの低下は主に、心血管疾患による死亡の減少に起因していました。しかし、脳卒中の経験者では、コーヒーの摂取と死亡の間に有意な関係は見られませんでした。
著者らによると、脳卒中経験者における緑茶の摂取と死亡の関係を示した研究は、これが初めてだそうです。今回の分析結果は、脳卒中、心筋梗塞という病気を経験した後の患者の健康に、緑茶が利益をもたらす可能性を示しました。
一方で、コーヒーの摂取は、それらの経験がない人と、心筋梗塞経験者に有益である可能性が示されました。研究者たちは、「緑茶とコーヒーの摂取と死亡リスクの低下の間にあるメカニズムについて、さらに研究を行う必要がある」との考えを示しています。
論文は、Stroke誌2021年2月4日号に掲載されています(*1)。
医学ジャーナリスト

[日経Gooday(グッデイ)2021年7月7日掲載]情報は掲載時点のものです。

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