
「胃炎かと思ったら胆石だった」
50代になったあたりから、周囲の酒飲みたちからこんな声を聞くようになった。
つい先日も、1日にワイン1本を空けるような酒豪の男性と、おつまみに唐揚げが欠かせない40代の女性から、胆石が原因の「胆のう摘出手術」の話を聞いたばかりだ。

筆者は幸いにも胆石とは無縁だが、胆石の発作は「脂汗をかくほどの猛烈な上腹部の痛み」と聞くだけで怖くなる。
しかも、胆のう摘出手術を受けた2人の共通点は「無類の酒好き」。彼らだけではない。周囲を見渡すと、結構な数の酒飲みが胆石持ちで、「薬で散らしているから大丈夫」と言う人も少なくないのだ。
しかし、健康が気になる50代ともなれば、軽視はできない。「もしかしたら、酒が胆石の原因なのではないか?」と疑ってしまう。
胆石持ちの酒飲みのためにも、ここでしっかり酒と胆石の関係をクリアにしておきたい。そこで、杏林大学客員教授で、佼成病院の外科部長を務め、胆管外科を専門とする森俊幸氏にお話を伺った。
胆汁が凝縮されて結晶化したものが「胆石」
先生、「胆石」とはどういったものなのでしょう?
「肝臓で作られる消化液である『胆汁』を一時的にためる袋である『胆のう』や、胆汁が流れる道である『胆道』でできた石(結石)のことを『胆石』といいます。胆石は胆汁に含まれる成分が凝縮されて結晶化し、固まったものです。胆石のうち、約8割が胆のうでできたものですね」(森氏)

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