前回(「花粉症にヨーグルトは良いのか? 腸と免疫、本当の話」)は腸と花粉症、その対策について書いたが、どうやら腸、そして全身の健康を守るためには毎日の生活に潜む落とし穴に気づく必要があるようだ。国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターの國澤純センター長に、現代人が陥りがちな落とし穴が招くストレス解消のルールについて聞いた。

――國澤センター長「現代人の多くは『免疫の暴走』に気をつけないといけないでしょうね」
「暴走」とは、強い言葉だ。前回の記事でも書いたが、「免疫」は体外から侵入した細菌やウイルスなどの外敵から身を守るための防御システム。特に腸に集中している「免疫細胞」は、体中の異物の排除にも働くパトロール隊だ。これが「暴走」となると、免疫システム自体にかなりの狂いが生じているということだろうか?
――國澤センター長「そういうことになります。『免疫の暴走』はアレルギーなど免疫に関わる様々な疾病の原因になっていることが知られています。最近では、これまで免疫とは無縁とされていた糖尿病などの生活習慣病なども免疫の異常との関わりが指摘されています」
「腸漏れ」とは何? なぜ免疫が暴走?
どうして免疫が暴走してしまうのだろうか?
――國澤センター長「要因は色々とあるのですが、最近は『腸漏れ(リーキーガット)』と呼ばれる腸の状態の悪化を示す言葉が注目されています」
「腸漏れ」とは、危険な香りがする。腸に穴でもあいて何かが漏れるということだろうか?
――國澤センター長「腸は食べた物を消化する場所ですが、何らかの理由で腸のバリア機能が低下し、腸漏れの状態になると、細菌や未消化の食品の成分など、本来体の中に入ってきてはいけないものが体の中に流入してきます」

Powered by リゾーム?