40代、50代の半数以上が「コロナ禍で飲酒習慣が変化」

竹内:実は日経ビジネス電子版および日経Goodayの読者に事前にアンケートをとっていたのですが、その結果によると、「コロナ禍をきっかけに飲酒習慣が変わった」と答えた40代~50代は、54.5%と半数を超えていました。具体的には、飲食店が感染リスクの高い場所として名指しされていたことから、外で飲む機会が減ったことや、家で飲む量が増えたことなどが挙げられます。

浅部氏:飲み会自体が減りましたね。昔のように、2次会、3次会と飲みに行くこともほとんどなくなりました。外で無茶な飲み方をしなくなった一方で、家で飲む量が増えて、アルコール依存症のリスクが高まってしまった方がいることも心配です。コロナ禍で景気が悪くなり、生活が不安定になったりすることで、大きなストレスを抱えて、それを紛らわすために飲む、という方もいるわけです。

葉石氏:私の周りでも家で飲む量が増えた人は多いですね。もともとお酒が好きで、外で飲めなくなったから家で飲むという人が多いのですが、コロナ禍でストレスが高まってお酒を家で飲んでしまうという人もいるのだと思います。

竹内:事前のアンケートでは、「お酒に関連して悩みや困っていることはありますか」という質問に対する回答は、以下のようになりました。

「お酒に関連して悩みや困っていることはありますか」(複数回答可)
「お酒に関連して悩みや困っていることはありますか」(複数回答可)
アンケート実施期間:2021年12月~2022年1月 回答数:1296

葉石氏:生活習慣病やがんなどの病気が心配という人もいますが、それよりも「最近、お酒に弱くなった」と答えた人が最も多いのですね。確かに、私もコロナ禍以降、お酒に弱くなった気がします。

竹内:浅部さん、お酒に弱くなるというのは、どのようなメカニズムなのでしょうか?

浅部氏:お酒に強くなったり弱くなったりするのには、さまざまな理由があるのですが、やはり肝臓の代謝機能によるところが大きいですね。アルコールの代謝経路には、大きく2つあります。1つは「アルコール脱水素酵素(ADH1B)」と「アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)」によるもの、そしてもう1つは薬などの代謝で使われる「MEOS(ミクロゾーム・エタノール酸化酵素系)」という酵素群によるものです。

アルコールの代謝経路は大きく2つ
アルコールの代謝経路は大きく2つ

竹内:日本人には、遺伝的にアルデヒド脱水素酵素の働きが悪くて、アセトアルデヒドの分解が遅いためにお酒に弱い体質の人が多いと聞いたことがあります。

浅部氏:その通りです。お酒を飲むとすぐ顔が赤くなってしまう人がそうです。一方で、お酒を飲み続けることでだんだん強くなる人もいて、その場合は、MEOSという酵素群がアルコールを代謝するために使われるようになってきたためだと考えられます。

葉石氏:いわゆる、「鍛えられてお酒に強くなった」というタイプですね。私もそうです。

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