先生のアドバイス通りに食事を変えてみた結果は…

 前回も紹介したが、以前の私の食後血糖値は軽く180mg/dL超え。「糖尿病と診断されてないもーん♪」(空腹時血糖値は基準値内)ということもあり、糖質への意識が甘かったが、この結果を踏まえ「これはまずい…」と食事改善に着手した。

 山田さんのアドバイスを基に1食当たりの糖質を40gに抑える食生活を1カ月したところ、何と食後血糖値が97mg/dLという好成績を得ることができた。

 具体的にどうしたかというと、糖質量を簡単に測れるスマホのアプリ( 「糖質カウンター」というアプリ)を活用して、1日の食事を管理するようにしたのである。このアプリを使って食事を管理すると、前述したように、レンコンやにんじんといった意外なものにも糖質が多いことが分かり、摂取量を抑えるようになる。こうして、日常の食事に気を付けることにより、食後高血糖がだいぶ改善されてきた。

 正直、大好きなチョコレートはやめられないのだが、山田さんも「間食(スイーツ)もしっかり楽しんでください(ただし糖質10g以内)」と話していたので、量を抑えつつ安心して食べている。

 普段に飲む酒は、日本酒メインから糖質ゼロの本格焼酎(水割りかハイボール)に切り替え、外飲みの際には、日本酒やワインなどの醸造酒を楽しむようにメリハリをつけたところ、ストレスもたまらず、リバウンドもしていない。もう少しがんばって、体重もあと3キロ減らしたいところである。

 ちなみに、糖質を食べても、食後に運動さえすれば血糖値は上がらない、などと言う人もいるが、それはどうなのだろう? せっかくの機会なので山田さんに聞いてみた。

 すると、「食後に、運動することは、もちろん悪いことではありませんので、ぜひ実践してください。ただし、血糖値については、運動より食事の影響の方が圧倒的に大きいのです。ですから、食後に慌てて運動するより、食事で糖質をコントロールしたほうが効果的といえます」(山田さん)というお返事をいただいた。やはり食事面での取り組みが最優先なのだ。

        ◇        ◇        ◇

 ここまでの山田さんの話をまとめると、アルコールが血糖値を上がりにくくしてくれることは確実ではあるものの、適量はあくまで純アルコール換算で20g。選ぶ酒は、糖質量が少ない酒が望ましい。糖質量が多い酒を飲む際は、おつまみで調整して、1食当たりの糖質量はトータル(酒込みで)40g以内に収める。おつまみは、糖質量を考慮し、たんぱく質&良質な油を主体としたものを選ぶのが理想ということだ。糖質を多く含むメニューは食事の最後(カーボラスト)にする。

 改めて見直すと、これといって難しいことはなく、意識さえすればすぐにでも実践できることばかりである。これで血糖値がコントロールでき、将来の糖尿病のリスクが減る。さらには食後の眠気を抑え、集中力も維持できるならお安いもんではないだろうか。

 左党はおいしいおつまみを食べながら、酒を飲むことを何よりの幸せと感じる人が多く、そのため気づかぬうちに糖質過多になっていることがある。この機会に今現在の自分の食後血糖値を把握し、糖質の摂取を上手にコントロールしながら、長―く、健康的に飲み続けたいものである。

(図版:増田真一)

山田 悟(やまだ さとる)さん
食・楽・健康協会代表理事 北里大学北里研究所病院糖尿病センター長
山田 悟さん 1970年東京都生まれ。日本糖尿病学会糖尿病専門医。日々、多くの患者と向き合いながら、食べる喜びが損なわれる糖尿病治療においていかにQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を上げていけるかを研究する。患者の生活の質を高められる糖質制限食に出合い、積極的に糖尿病治療に取り入れる。2013年に、一般社団法人「食・楽・健康協会」を立ち上げる。著書『糖質制限の真実』(幻冬舎)ほか多数。

[日経Gooday(グッデイ)2019年10月8日掲載]情報は掲載時点のものです。

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