現代を生きる私たちにとって「ストレス対策」は、もはや自分を守るための必須テクニックと言っていいでしょう。この連載では「ストレス対策」について、この分野の専門家の方々に最新の取り組みについて尋ねて紹介しています。前回に続き、この分野の第一人者であるセラピスト(臨床心理士・公認心理師)の伊藤絵美先生にお尋ねして、自分のモノの考え方と行動にアプローチする「認知行動療法」について、私(五十嵐)がまとめて紹介します。

 前回は「ストレス コーピング」が、どういうものかをお伝えしました。今回は、ストレス対策に効果が大きい「認知行動療法」という心理療法について、私が解説していきます。

伊藤絵美さんの著書の1つ『<a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4794971818/" target="_blank" rel="noopener">セルフケアの道具</a>』
伊藤絵美さんの著書の1つ『セルフケアの道具

 認知行動療法―――。この堅苦しい漢字ばかりの名称に「難しそう」と、戸惑いを感じるかもしれません。しかしこれは、ストレス対策に効果があるだけでなく、うつや不安などのメンタルヘルスの症状を改善させる手法として、また、近年では、がんや高血圧症、糖尿病や不眠、慢性疼痛(とうつう)などにおける精神的苦痛に対しても、活用されるようになってきており、薬物療法に匹敵する科学的根拠と効果があることが、さまざまな研究によって裏付けされている、大変有効な心理療法なのです。

 実際に、わたしの精神科クリニックでも、うつによる休職から職場復帰するためのリワークプログラムの中で、この手法を取り入れて、多くの患者さんにストレス対策の方法を身につけてもらっています。

 名前こそ取っつきにくいものの、ストレス対策としての効果が広く認められているのが、この「認知行動療法」です。

 では、さっそくどういうものなのか、紹介していきましょう。

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