外出時に、自分の体の「サビつき」を感じることはないだろうか? いくら室内で動いていたとしても、外での活動とはわけが違う。柔軟性を失いサビついた体は、どんなに運動をしても効果が上がらないばかりか、足腰の痛みや転倒などのケガにつながることもある。どうやら、「老化」にも関わるようだ。昭和大学医学部整形外科の客員教授 平泉裕医師に、「サビついた老体」を「しなやかで健康な体」に戻す老化予防ストレッチを教わった。
しなやかで健康な体に戻すストレッチをやってみよう(イラスト 平井さくら)

「体のサビ」を放置すると、若いのに「老化」が始まる?

 実は私、「体がサビついてきた気がする」ようになった。横断歩道を渡る際に走りだすとき、電車でつり革につかまるために腕を上げるときなど、体のパーツを大きく動かすたびに動きがぎこちなくなって「サビつき」を実感している。先日などは大股で歩こうとしたところ、足がスムーズに伸びずに転倒しそうになった。

――平泉医師「サビつきを放っておくのは危険ですよ。ケガしやすくなりますし、体の機能が不活発化していくので、若いうちに老化が始まってしまいます」

 「老化」とは聞き捨てならない。

――平泉医師「予防として、『活動前のストレッチ習慣』をお薦めします。筋肉に柔軟性が出るため、筋肉内の血行が良くなって筋肉や臓器の新陳代謝が高くなり、老化予防につながります。

 もちろん、軽い筋トレも加えれば、効果はさらに上がります。例えば、前回お話しした『階段歩行』でもサビついた体を伸ばしてから行えば、運動効果が一層高まります」

 これまでにもテレワークの後遺症対策として、「やるだけムダな『健康を害する歩き方』って?」や「テレワークの後遺症に! たった3分でできる『腰痛ストレッチ』」など、さまざまなストレッチを教わってきた。どれも取り組めば体が楽になることはわかってはいるのだが、続けないとすぐにサビついた体に逆戻りだ。1分以内に済んで毎日続けられる…そんなワガママをかなえてくれるストレッチはないだろうか?

――平泉医師「身近な物を使うのが一番です。階段でサビ落としをしてから活動をするクセをつければ、続けられると思いますよ」

 確かに、家の中や外出先など、身近な場所に階段はある。具体的にはどうしたらいいだろうか?

――平泉医師「階段の良いところは、ステップと手すりがあることです。上手に使って体を伸ばしてください」

老化予防のサビとり10秒ストレッチのルール

(1)

手すりに手をのせて準備

(2)

ステップに爪先をのせ、自重でかかとを少しずつ伸ばしながら10秒間キープ

――平泉医師「こうすることで、サビついていたアキレス腱(けん)やふくらはぎ、足裏が無理なくほぐれてきます」

(3)

腰を折って上半身を少しずつ前へ。背面はもちろん、ハムストリングス(太ももの裏)やふくらはぎまで、体の裏面が伸びるのを感じながら10秒キープ。呼吸を止めないように気をつけよう

――平泉医師「体の裏側を効率的に伸ばせるストレッチです。肩関節の可動域も広げて腕を上げやすくしますし、頸椎(けいつい)を支えている首の後ろの筋肉群(肩甲挙筋、僧帽筋、菱形筋など)も柔軟性を取り戻して血行が良くなるため、頭痛や肩こりを治す効果も期待できます」

 早速、トライしてみた。アキレス腱を急に伸ばして痛めないように、かかとだけをステップに浮かせ体の重みで穏やかに伸ばす。手すりに寄りかかるようにして体の裏側全体を伸ばすのだが、体がこわばりがちな朝でも無理なくできる。猫背や五十肩の改善にも良さそうだ。

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