睡眠中に起きる鼻づまりが睡眠障害を引き起こし、睡眠の質を低下させていることはあまり知られていない。花粉症シーズンにだるさや眠気を感じるという人は、鼻づまりの改善に取り組んでみよう。『鼻専門医が教える 「熟睡」を手にする最高の方法』が話題の黄川田徹さんに聞いた。
写真はイメージ=PIXTA
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花粉症の時期に疲れやすさを感じる理由

 花粉症シーズンの到来で、「頭がぼんやりする」「疲れやすい、疲労感が抜けない」などと感じている人もいるだろう。従来、このような症状が出るのは抗ヒスタミン薬の副作用で眠気が増すことが主な原因だと考えられてきた。だが、鼻のクリニック東京理事長の黄川田徹さんは「鼻づまりによって引き起こされる睡眠障害が関与している可能性が高い」と話す。

 睡眠中に鼻がつまると、その苦しさから眠りが浅くなって「熟睡できない」「寝ても疲れがとれない」ことになり、日中に眠気を催したり、疲労を感じたりするのだという。「海外では10年ほど前から鼻のトラブルと睡眠障害の関連を示す論文が出ています。国内で注目を集めるようになってきたのは、ここ1、2年ほどのことです」。

 ここで、鼻づまりはどのように起きるのか確認しておこう。鼻の穴の奥には縦横が数cmある広い「部屋(鼻腔・びくう)」があり、この部屋の「壁(鼻腔粘膜)」が腫れて「部屋」が狭くなると、空気が流れにくくなる。これが「鼻づまり」だ。

鼻の鼻腔粘膜が腫れると「鼻づまり」になる
鼻の鼻腔粘膜が腫れると「鼻づまり」になる
鼻の入り口からのどの奥まで「鼻腔」と呼ばれるトンネルがあり、その壁はすべてやわらかな粘膜で覆われている。花粉症などで鼻腔粘膜に炎症が起きて腫れてしまうと、空気が通りにくくなる。これが「鼻づまり」だ。

 鼻の粘膜の中にはスポンジ状に血管が張り巡らされており、血液をため込みやすいため、もともと腫れやすいという性質がある。花粉症などによる季節性の鼻炎、ほこりやハウスダストなどによる通年性のアレルギー性鼻炎やアレルギーが関与しない非アレルギー性鼻炎などの慢性鼻炎などにより鼻腔粘膜に炎症が起き、腫れやすさが増強されれば、簡単に鼻づまりが起きてしまう。

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