
真面目な人ほど「気分の波があるのは良くない」と思う
年齢を重ねるとともに、体力が衰えるだけでなく、やる気のムラや気分の浮き沈みが激しくなってきた、という人は少なくないでしょう。
こんなとき、真面目な人ほど「ムラがあるのはよくない」と考えがちです。人間はどんなときも首尾一貫しているべきだ、態度がコロコロ変わるのはよくない、仕事への意欲は常に一定であるべき、という固定観念がある人は多いかもしれません。
しかし、年齢を重ねると、いつも晴れ晴れとした気分でいることが難しくなってきます。ちょっとしたことでイライラしてしまったり、やたらと不安に感じたり……。
うつっぽくなるというほどではないけれど、小さなストレスでもその影響を以前より大きく受けて、心の浮き沈みを感じるようになってきた、ということはないでしょうか。
浮き沈みが気になり始めると、調子がいいときにも「今はいいけどまた落ちるのでは」と思ったり、しんどいときには「ずっとこの状態が続くのかな」と不安になったりもします。これは、人生の後半において、よくあることなのです。
それなのに、ムラがあるのはよくないと考え、その原因を探したり、やたらと対策をとろうとしたりすると、結果的に心の浮き沈みの波を大きくしてしまう可能性があります。
人間も生き物ですから、がんばったあとは疲れるものだし、浮き沈みはあって当たり前です。ことさらに波が気になる人は、「一貫性を欠いてはならない」という価値観が強くなりすぎていないか、立ち止まって考えてみてください。
そもそも人間は感情的な生き物だし、体調の変化もあるし、その時々の都合もあるので、一貫しないものなのです。以下のような思い込みがないか、チェックしてみましょう。
- 社会人として、やると言ったらやる、言行一致であるべき
- 約束は守るべき、うそをついてはいけない
- 仕事への意欲や情熱はずっとキープすべき
- いつも笑顔で、寛容でなければならない
もちろんこれらは、社会生活を営む上で大切なことなのですが、「波があってはダメだ」とこだわりすぎると、予定通りに仕事がこなせなかったり、納期に遅れたり、人に対して寛容でいられないときに、過剰に自分を責めるようになってしまいます。
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