「もくもく会」――。そんな奇妙な名前の“会合”が最近、ウェブ上で広がっている。煙や雲の「もくもく」ではなく「黙々」。誰かと話すわけでもなく、それぞれが黙々と作業し続けることから、このような名前が付けられたという。

 もともとは同じ場所に集まって各自が仕事や勉強を黙々と進めるリアルなイベントの名称で、参加者はITエンジニアが中心だった。侃侃諤諤(かんかんがくがく)、何かを話し合うわけではないが、疑問点や困った点が出てくれば、すぐに周囲の人に相談できる。そんな点が評価されていた。しかし、コロナ禍でリアルに集まるのは難しくなってしまった。

 それが一転、今度はオンラインツールを使って、バーチャル空間で場を共有しようという動きが広がっている。その1つが、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)が開発した「NeWork(ニュワーク)」というサービスだ。

オンライン上のワークスペースというコンセプトで2020年8月に提供を開始した「NeWork」

 開発のきっかけは、コロナ禍により2020年2月からNTTコム自身がテレワークに踏み切ったことだった。

 通信会社である同社は、東京五輪・パラリンピック開催を見据えてコロナ禍の前からテレワークに対応できるよう準備を進めていた。それゆえ、すぐに在宅勤務率を8割まで引き上げることができたが、在宅勤務を続けるうちに問題点が浮かび上がってきた。会議を除けば、社員同士でコミュニケーションを取る機会がなくなったことだ。

 「リモート会議ツールのZoomやWebexは急速に普及したが、会議に最適化されたサービス。雑談や立ち話のような使い方に向いたサービスが欲しいと感じた」(プラットフォームサービス本部アプリケーションサービス部の大野智史担当課長)

誰が“出勤”しているか視覚的にわかる

 6月にプロジェクトメンバーを募り、リモート会議を重ねて、まずは自分自身が必要としている機能は何か議論を深めた。そのうえで仮説を立て、エンジニアや経営者、学生など16人に非対面コミュニケーションによる課題をインタビュー。リモート会議ツールのユーザーにもアンケートを実施して、約800件の回答を集めた。

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