会議の冒頭5分を「黙読」に当てる理由

 練り込まれた文章スタイルのワンページャーのメリットは、会議のスリム化にも直結している。アマゾンは会議のスタイルも独特で、開始すると会議を主催したワンページャーの作成者が、趣旨とゴールをごく簡単に説明した後、冒頭5分間は全員でワンページャーを黙読する時間に充てられる。もちろんそこでの質問はご法度だ。

 よく会議で起こりがちなのが、発表者が説明をしている途中で、後で話そうと思ったことについて質問が出てしまい、本題からずれて議論が堂々巡りになるパターン。ワンページャーを黙読するメリットは、会議で話し合うべき議題の全体像を短時間に全員が頭に入れて、自分が意思決定すべき重要箇所を確認し、すべき質問を整理した状態で議論がスタートできること。結果として、最短距離で最初に提示されたゴールに向かいやすい。

 文章によってファクト、結論が分かりやすく簡潔に書かれた資料を配るからこそ、事前に資料を読み込むのではなく、会議開始後の5分で黙読するのが最も効率が良いということになるわけだ。

 ワンページャーを前に議論を戦わせる人数は少なくて4人、多くても8人。「Two Pizza Rule」という決まりがあり、具体的にはLサイズのピザを2枚注文して食べきれるほどの人数が議論を進展させやすい最適な人数であるという発想に基づいている。

 ちなみに会議は、意思決定に自分は無関係ではないかと思った場合、欠席を申し出て構わない。そもそも開催を知らせる時点で、参加が必須かを相手ごとに指定する。無駄な会議への出席を無くすアイデアがここにもある。

Amazonの会議ルール3
【1】冒頭5分間の「全員黙読タイム」
<span class="fontSizeL textColTeal">【1】冒頭5分間の「全員黙読タイム」</span>
事前に資料を配らない
【2】社員8人以上で集まらない
<span class="fontSizeL textColTeal">【2】社員8人以上で集まらない</span>
「Lピザ2枚」を食べられる人数を上限に
【3】「必須か任意か」事前にお知らせ
<span class="fontSizeL textColTeal">【3】「必須か任意か」事前にお知らせ</span>
無用ならキャンセル、欠席も許される
月刊誌「日経トレンディ」

 2021年5月号では巻頭で「ヒット企業直伝!最強の話し方・会議・プレゼン」を特集しています。新型コロナウイルスの影響でオンライン会議が当たり前になり、「空気読んでよ」「仲良くなってなんとか」というコミュニケーションが通用しなくなった今、会議やプレゼンなどビジネスでの話し方がますます重要になっています。

 コロナ禍でも成果を出しているヒット企業の共通点は実は、会議を重要視していることでした。効率よく、最も伝わる会議やプレゼンをするためにどんな工夫をしているのか。新年度に学びたい、リーダーのための話し方も紹介します。

この記事はシリーズ「日経トレンディ発 最強の話し方・会議・プレゼン」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。