新型コロナウイルスの感染拡大で大阪などに医療逼迫の危機が広がる。医療だけではない。介護現場でも実態はもう1つの危機といっていい苦境にある。今年1月、クラスター(感染者集団)が発生した施設の出来事は、介護現場の危機を強く感じさせた。

グループホームの入居者が次々に陽性となった(写真はイメージ、PIXTA)
グループホームの入居者が次々に陽性となった(写真はイメージ、PIXTA)

 「1月半ばから半月あまりで施設内に感染が急速に広がりました。もちろん事前に十分気をつけていたのですが、情報不足があったり、感染した患者をすぐに入院させることができなかったり、さまざまな問題が立て続けに起こったのです……」

 西日本で内科系のクリニックを経営する吉田浩章院長(仮名)は、自身が別に運営する介護施設で今年1月に起きた新型コロナのクラスターの厳しい出来事を振り返りながら静かに話した。地域名も名前も明かさないのは、クラスター発生後、一方的に吉田院長を批判する匿名の電話が数回にわたってかかるなど風評被害が続いたためだ。「まるで加害者扱いでした」。吉田院長は今も無念そうに振り返る。

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この記事はシリーズ「コロナ後の医療、危機管理なき日本の隘路」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。