4月12日に開始した新型コロナウイルスワクチンの高齢者接種。その開始に向け、厚生労働省と内閣官房はシステム構築に全力を注いできた。しかし、自治体側から見ると運用面ではいくつも課題があったようだ。当初、国が描いたシステムの設計に縛られて、市区町村での接種時期が遅れてしまう──。接種開始の10日前まで、自治体は追い込まれていた。

 「このままだと高齢者向けのワクチン接種の時期が遅れます。本当にそれでいいんですか」

 高齢者の接種開始を翌月に控えた3月。数人の知事が、全国知事会として山本博司、三原じゅん子両厚生労働副大臣と面談していた。知事たちが焦りをみせたのは、現場の実態に合わない仕様になったシステムが自治体の動きを縛る事態になりそうだったからだ。

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この記事はシリーズ「コロナ後の医療、危機管理なき日本の隘路」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。