副業を認める企業はもはや珍しくなくなってきた。働く側からすれば、収入ややりがいの選択肢は確実に増えていると言える。とはいえ副業とは、あくまでも主たる仕事があるのが前提だ。だがここにきて、いくつもの仕事を掛け持ちする働き方、「複業」が広がる気配を見せている。副業の一歩先の働き方、とも言える複業を可能にした大きなきっかけは、やはり新型コロナウイルスによるリモートワークの浸透だ。柔軟な働き方は柔軟な稼ぎ方にもつながる。では複業で本当に生計を立てられるのか。求められるスキルや素質は何なのか。複業に取り組んでいる人たちの実態を見てみよう。
シリーズ
副業から複業へ、新たな働き方は広がるか

全6回
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元電通マンが複業天国の石垣島にやって来て考える終身雇用の現実
脱サラや独立は、普通の感覚でいえば人生の大きな挑戦のはず。しかし、それを最もコンサバな選択として決断したという酒匂さんのような価値観も、これからは少数派とは言えなくなってくるのかもしれない。
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ダンスも人事も本業「人生を自分でコントロールしている感覚」
複業では自分のやりたい仕事だけをやればいい。異動ももちろんない。「今は自分の人生を自分でコントロールしている感覚がすごくある。一度この働き方を味わうと、組織という縛られた世界はちょっと大変だと思う」。組織人として働き続け…
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ミス・ユニバースジャパンのファイナリストが1500万円稼ぐ複業
アシュリーさんは今、「私は仕事に就いているのではない。私に仕事が付いている」という感覚を持っている。仕事量を自分で調節できるうえ、仮に香港から別の場所に移っても仕事はポータブルだからだ。これが「正社員として会社にくっつい…
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4社でマーケティングを担当、月収80万円「ぶっ倒れたら終わり」
佐藤さんは「無駄な仕事がなく、時間がすごく有益に使えている」という。しかし決してバラ色というわけでもない。当然リスクもあるという。それは自身の健康だ。「自分がぶっ倒れたら終わり」なのが複業の宿命だからだ。「誰も生活を保障…
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30年超の会社員生活をやめる不安「想像以上の人生が待っていた」
組織を離れて複業に転じるかどうかは「今を見るのか、未来を見るのかという価値観にもよるだろう」と指摘する。「私は今よりも未来を重視して、今よりも未来にかけて組織人を卒業した」という。今の地位や収入を捨てるのはもったいないと…
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「複業は実力主義、学歴は関係ない」
「副業から複業へ」という波は大きくなるのだろうか。業務委託で働く人材を供給するマッチングサービス「CARRY ME」を運営するPiece to Peaceの大澤亮社長に話を聞いた。
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
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不屈の路程
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
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1000年企業の肖像
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10 Questions
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回