(写真:PIXTA)
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 2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のまん延により世界規模で人々の行動が制限され、「巣ごもり需要」が急増した1年であった。結果的に活況となったのがeコマース(EC)市場である。需要増への対応や感染対策として非接触のオペレーション遂行などに迫られた企業は少なくないが、こうした変化にうまく対応できたのが中国企業といわれている。2020年の中国国内におけるECの小売売上額は11.76兆元(約198兆円)で、2019年より10.6%増加しており、コロナ禍における経済回復を後押ししたと言える。高成長を成し遂げた中国企業の対応にはどのような特徴があったのだろうか。

中国国内EC小売売上額
<span class="fontSizeL">中国国内EC小売売上額</span>
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 中国では2015年に発表されたインターネットプラス政策を起点として、各企業のEC事業が盛り上がりを見せている。近年はライブコマースをはじめとするECサイトやソーシャルメディアを利用した新たな販売モデルが、市場の活況を後押ししている。結果として流行の移り変わりが早くなり、企業にとっては需要予測の精緻化や、さらなる納期短縮が求められる状況にもなっている。

 そのような中、ECプラットフォーマーが提供するプラットフォームを活用して、需要の予測を行う企業が多く見られる。そうした企業は、その情報を製造委託先やサプライヤーなどを含めたサプライチェーン全体で共有するだけでなく、販売データを自社工場および製造委託先の工場とリアルタイムに連携することで、多品種少量生産かつ短納期を実現できる体制を構築している。こうした対応が、今回のコロナ禍において有効だったと考えられる。

変化する需要への対応に必要なのはアジリティ

 多様化するビジネスニーズに迅速に対応するためのキーワードが「アジリティ」である。これは、連載第1回で取り上げた、ウィズコロナ時代に求められるサプライチェーンの5つの要件のうちの1つで、ここでは「最新の情報を基にした、地域単位、国単位でのサプライヤー・生産拠点・物流経路の切り替えなど、状況の変化に伴うビジネスニーズへの迅速な対応」と定義する。

 では企業がアジリティを体現するためには、具体的にどのようなアクションが求められるのか。「組織」「プロセス」「データ」の3つの観点から紹介する。

コロナ時代に求められるサプライチェーンの5つの要件
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この記事はシリーズ「ウィズコロナ時代のサプライチェーンマネジメント」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。