(写真:PIXTA)
(写真:PIXTA)

 連載第1回では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるコロナショックの特徴と、サプライチェーンマネジメント(SCM)への影響を大観した。今回は、生産・調達の供給側と販売業務のバランス、すなわち需給調整業務にもたらした影響に焦点を当てて、最近起きている特徴的な潮流について解説したい。

 新型コロナのパンデミックが発生する以前から、生産や調達、物流や販売の現場では需給のバランスに変化が起こっていた。その傾向は次第に大きくなり、企業においては、需給調整能力を高める必要性が増していた。

 下の図は、弊社が提唱するADAPTフレームワークで需給への圧力を説明したものである。ADAPTとは、世界が今日直面する5つの喫緊な課題(「Asymmetry(非対称性)」「Disruption(破壊的な変化)」「Age(人口動態)」「Polarization(分断)」「Trust(信頼)」)の頭文字を取ったもので、同フレームワークでは、サプライチェーンにおける「生産・調達」「物流」「販売」という各フェーズにおける変化を、これらの課題ごとに整理した。

ADAPTフレームワークで見る、近年の需給への変化圧力
ADAPTフレームワークで見る、近年の需給への変化圧力
[画像のクリックで拡大表示]

 課題にいち早く気付き、対応を始めていた企業は、新型コロナ感染症による変化に対する備えもできていたと言え、実際に柔軟な対応によって難局を乗り切ろうとしている。一方、需給調整能力向上の必要性に直近で迫られていなかった企業においては、今後対策を迫られる可能性がある。

続きを読む 2/4 潮流①:ステークホルダーへの情報開示基盤としての需給調整の重要性

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2619文字 / 全文4114文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「ウィズコロナ時代のサプライチェーンマネジメント」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。