新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大は、あらゆる業界でサプライチェーンの寸断を引き起こした。日本企業についてもその影響は大きく、特にコスト効率を追求してサプライチェーンのグローバル化を進めてきた、自動車、エレクトロニクス、機械、医療用品、食品などの産業が、製品の生産停止や供給の遅れを余儀なくされた。
今回のコロナショックが過去の危機と大きく異なるのは、リスクの範囲が世界中であり、かつ時間と共に移動して平常時と緊急時を繰り返す、生き物のような動きをすること。これまでにないリスクにどう対処すべきだろうか。アフターコロナ/ウィズコロナ時代のサプライチェーン・マネジメント(SCM)の在り方について、専門のコンサルタント陣が解説する。(写真:PIXTA)
シリーズ
ウィズコロナ時代のサプライチェーン・マネジメント

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、あらゆる業界でサプライチェーンの寸断を引き起こした。生じる範囲が世界中であり、かつ時間と共に移動して平常時と緊急時を繰り返す、生き物のような動きをする新型コロナ感染症…
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