ソロアイドルの眉村ちあきさんは作詞・作曲を自らこなし、ライブも企画する“DIYアイドル”だ。2017年に自ら社長を務める芸能事務所「会社じゃないもん」を設立した。独創的な楽曲やライブパフォーマンス、自社株式をファンに売却するなどの行動で注目を集めた18年、レコード大手に所属し20年末には「聖地」日本武道館でのライブも実現させた。上昇気流に乗った眉村さんも、コロナ禍の打撃は大きいという。今、一アーティストとして、所属事務所の社長として何を思うのか。

1996年生まれの24歳。2016年からソロアイドルとして活動を始め、17年には芸能事務所「会社じゃないもん」を設立し、社長に就任。自社の株式をファンに売却するなどの一見とっぴな行動で話題を集める(写真:的野弘路)
今から3年前にある取材でお会いしたとき、東京・下北沢の小さなライブハウスで楽曲を披露されていました。お話を伺う場所は今回のようなオフィス(東京・渋谷のトイズファクトリー本社)ではなく喫茶店でした。3年で色々変わったのですね。
眉村ちあきさん(以下、眉村さん):載っている新聞を東京・阿佐ヶ谷駅の売店で買ったんです。店員さんに「これ私なんです」と言ったら、「すごいわね、今日も頑張って」と言われた記憶があります。良い思い出です。
自ら設立した会社の株式をファンに売るなど、ビジネスの面でも注目されました。今は株式は売らずに、ファンクラブがあるんですね。
眉村さん:発行済み株式5000株のうち、1500株をファンに売ることにしていたんですが、上限に達してしまったんですよね。なので売るものを「社員証」に変えています。扱いは「株主」も「社員」も平等です。社員には気が向いたときにメールを送れるようにしていて、そこで本当の気持ちを吐露したり、秘密の動画を送ったりして仲良くしています。
今度会社の名前も変えるんです。今の「会社じゃないもん」という名前だとクレジットカードも作れないし、信用されない。ふざけていると思われるので「信用できる人々」という名前にしようかと。次の株主総会で議題に上げます。
成長するためレコード大手に所属
取材後には大手レコード会社のトイズファクトリーへの所属が決まりました。自分で事務所をつくり、ライブも楽曲も手作りで進めてきた眉村さんがレコード会社に所属しようと思ったのはどういう理由なんでしょうか。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り3047文字 / 全文3937文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料!
今すぐ会員登録(有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題
日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「変わる音楽ビジネス ヒットの新潮流」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?