音楽業界が苦境に立たされている。新型コロナウイルス禍でライブの数が減り、チケットやグッズが売れない。CDの販売も減少が続き、レコード会社や照明会社をはじめ演奏家らの収入に大きく響いた。一方で、無名のアーティストが次々と現れ、ヒットを飛ばすという現象も起きている。コロナ禍の影響で「耳の可処分時間」が増える中、CDというモノは消えていくが、音の未来は消えていない。激変する音楽ビジネスはどこへ向かうのか。(写真:gilaxia / Getty Images)
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変わる音楽ビジネス ヒットの新潮流

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2020年、国内の音楽ライブ市場はあわや消滅という事態に陥った。2回目の緊急事態宣言は解除されたが、入場制限は残り、手放しで喜ぶ音楽関係者は皆無だ。ファンが思い切り楽しめるような音楽ライブは復活できるのか。
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音楽配信、周回遅れの日本 「着うた」でガラパゴスに
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世界に遅れてはいるものの日本でも音楽配信が普及し始めた今、ヒットの生み出し方は「新常態」というよりも、法則がつかめない「無常態」に近い状況にある。レコード会社は時代の変化に追いつこうと必死に動き始めている。
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なぜサザン、嵐クラスしか稼げない? オンラインライブの頼りなさ
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武道館に立った“DIYアイドル” 眉村ちあきが思うこと
ソロアイドルの眉村ちあきさんは2017年に自ら社長を務める芸能事務所「会社じゃないもん」を設立した。武道館でライブを実施するなど上昇気流に乗ったが、コロナ禍の打撃は大きいという。今、一アーティストとして、所属事務所の社長…
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この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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