TypeCの会社が陥る悪循環
最後に残るのが、「OSもアプリもそこそこ」の会社。このタイプの仕事になる理由は、端的に言うと、「ある難しさの工程のみを担当する」ことに起因すると考えるといいでしょう。例えば、大手メーカーグループの販売会社。それは、車や機械などを「売る」部門だけの会社となります。その車や機械を開発したり、CMを企画したりはしません。
同様に、例えば保険の査定員などは、それだけをやるための専門職として雇われます。
そして、多くの中小企業での仕事が実は、ここに入るケースが多いのです。いや、「中小企業が易しい仕事ばかりをしている」と勘違いしないでください。すごい技術を持ち、世界中に売り込んでいる人がいたりする会社も多々あります。ただ、そうした中小企業でも、それは社内の一部の人(多くの場合、社長とその息子など)に限られるという非常に惜しいケースをよく見かけてしまうのです。そういうケースでは、頑張る人を育てるという意味での育成力に課題があったりします。
さて、こうしたTypeCの場合、実は、相対的に安い給与ながらも、年功序列的になっているケースを多く見かけます。それは、人気があまりないので新規採用に難渋するため、一度入った人になるべく長くいてもらうためです。ただ、そうして年輩者に給与原資を配分すると、入り口の給与が安くなり、ますます採用力が乏しくなるという悪循環に陥りがちです。
本記事は日経BPのオンラインサイト、Human Capital Onlineの連載「人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~」から、一部修正して転載しました。
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