TypeAの会社は精鋭採用、年功序列となる
一方、銀行や商社、大手メーカーなどは、一つひとつ専門知識を積み上げて、10~15年かけて大きな仕事ができるようになります。20代中盤と30代中盤で標準的な営業スタッフが取り扱う金額を比較すると、優に数倍となっているでしょう。
もともと優秀な学生を採用し、そのうえ、こうして長期間、ちょっとずつ難しい仕事をさせながら鍛え、30代半ばで「とても稼ぐ人」に育て上げる。この方式だと、入り口の選抜がまず、厳しくなります。階段を長期にわたりしっかり上っていける人でないとだめだから、ですね。そして10~15年たち、立派に育つと、今度は辞めてもらっては困ることになります。彼が抜けたら、まずその後釜を採用するのに一苦労で、さらにいっぱしの業績を上げるまで10年以上もかかるのですから。
結果、人材マネジメントは、精鋭採用、長期育成、離職防止の3点セットとなる。この仕組みがうまく回るように、給与も右肩上がりで年功序列的になっています。そして、10年程度の「成長期間」には、同期間の給与差もあまり発生しません。
当然でしょう。例えば銀行では入ったばかりで「個人向け住宅ローン融資」をしている時期、もしくはメーカーだったら、新人で販売会社に出向している時期。そこで華々しい成績を上げたとしても、それは、長い長い修業過程の1ページでしかなく、その後ずっと、階段を上らなければならないのですから。
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