星野リゾートはグループ化したWBFホテル&リゾーツの施設の再生を3月からスタート。これにより施設数は48から十数カ所増える見込みだ。ポイントは数だけではない。一連の取り組みをつぶさに見つめると、星野リゾートの現在地とコロナ禍で進める新たな成長戦略が見えてくる。

星野リゾートの星野佳路代表。アフターコロナも見据えて手を打つ(写真:栗原克己)
星野リゾートの星野佳路代表。アフターコロナも見据えて手を打つ(写真:栗原克己)

 WBFホテル&リゾーツは2020年4月に民事再生法の適用を申請。同年6月にはグループの旅行会社ホワイト・ベアーファミリー、両社の親会社WBFホールディングスも民事再生法の適用を申請した。星野リゾートはWBF3社に対しスポンサーとして名乗りを上げ、21年1月に再生計画が認可された。かねてから星野リゾートは有識者を入れた社内チームを立ち上げ同社全体のブランディングの在り方などについて検討を進めており、21年3月に株式譲渡の手続きが終了したことで、これらも踏まえながら旧WBFの施設に対する星野リゾートによる再生が始まる。旧WBFの人材を維持しながら、収益力を高めていく。

 1つのモデルケースになるのは、旧WBFの施設のうち京都市内で運営していたホテルだ。このホテルは株式の譲渡前に施設のオーナーと運営について合意していた。20年6月にコロナ禍の影響で休館していたが、4月15日から「OMO3京都東寺」として再スタートした。OMOは星野リゾートの都市観光ホテルブランドとして18年4月に北海道旭川市に1軒目を立ち上げた。これまで東京都内に展開しており、京都では旧WBFの施設もOMOブランドに加えた。

京都市内の旧WBFの施設は4月15日から「OMO3京都東寺」として再スタート
京都市内の旧WBFの施設は4月15日から「OMO3京都東寺」として再スタート

 再生の場合に難しいのは、施設の建物や仕様などにばらつきがあり、既存のブランドのコンセプトに合致しないケースもあることだ。このため旧WBFの施設は全施設をそのまま星野リゾートの既存ブランドに加えるのでなく、施設ごとに特徴などを見極めながら運営方針や施設名を判断する考えだ。これにより星野リゾートは培ってきた既存ブランドのイメージを維持しながら、運営する施設数自体を増やしていく。

 一連の取り組みには、星野リゾートがコロナ禍で進める新たな成長戦略がにじむ。

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