星野リゾートは4月13日に開催したオンラインプレス発表会で米グアム、金沢などでの新たな施設の運営を発表。新型コロナウイルスの感染拡大をめぐっては第7波を警戒する声もある中、一足先に業績の停滞から抜け出しつつあり、成長路線が鮮明になってきた。順調な業績回復の背景には3つの理由がある。新たにスモールマスマーケティングも打ち出す。

星野リゾートの星野佳路代表
星野リゾートの星野佳路代表

 同社によると、稼働状況は施設の所在地などによってばらつきがあるものの、全体として回復傾向が進んでいる。こうした中で、星野リゾートは海外では米グアムで新たに「オンワードビーチリゾートグアム」の経営会社の株などを2022年3月に所得し、今後は運営にも参画する。国内では11月までに、「OMO7大阪 by 星野リゾート」(開業4月、大阪市)、「OMO5金沢片町 by 星野リゾート」(同5月、金沢市)、「BEB5沖縄瀬良垣」(同7月、沖縄県恩納村)、「界 由布院」(同8月、大分県由布市)、「界 出雲」(同11月、島根県出雲市。従来の「界 出雲」は「界 玉造」に名称変更)、「 界 雲仙」(同11月、長崎県雲仙市)が新たに加わる。既存施設と合わせると、星野リゾートが運営する施設数は22年末時点で62カ所になる。

 このうち新型コロナウイルス禍が広がった20年2月以降に運営を開始の施設が21カ所あり、厳しい経営環境の中での拡大路線が際立つ。星野佳路代表は「危機にあたって運営会社としての実力が問われる中、これまでの取り組みが評価されている」と強調する。

 業績回復が進む背景の1つ目として挙げられるのが、人材面に力を入れてきたことだ。

 宿泊業では現場の担当者のサービスが顧客の満足度につながる。星野代表は「観光業で最も大切なのはサービスを提供する人材」としており、コロナ禍では国の雇用調整助成金を活用すると同時にワークシェアリングも導入し、人材の維持に取り組んできた。

 コロナ禍が落ち着きつつある中、宿泊業は稼働率が少しずつ上がり一部で人手不足感も出ている。星野リゾートは旅行市場の復活に備えて人材を維持した分、同社での働き方に慣れた社員が多く、さまざまな手を打ちやすい。雇用を維持してきたことが、業績の回復を後押しする。

 成長を加速するために、人材の採用においても積極的な姿勢が目立つ。22年4月には過去最高の671人が入社。年間でも過去最高の788人が入社予定となっている。

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