海外では、商品名や宣伝など企業の「表現」に対し一段と厳しい目が注がれている。「不謹慎」との指摘を受けた結果、長年続けたサービスの中身を見直す動きも出てきた。米ディズニーランドの人気アトラクションとて、その例外ではない。

 探検家ふうのサファリルックで決めた船長の軽妙なトークを案内に、ジャングルをボートで巡る。行く手には、ワニやカバ、ライオンが現れ、しぶきを上げる滝が迫り、カラフルなチョウが舞う──。

 スリル満点でエキゾチックなアトラクション「ジャングルクルーズ」は、ディズニーパークの目玉の1つだ。ディズニーランド(米カリフォルニア州)とマジック・キングダム(米フロリダ州)のほか、東京と香港のディズニーランドも含め世界4拠点に設置され、多くの入場者を楽しませてきた。

⽶ウォルト・ディズ ニーはアトラクション「ジャングルクルーズ」 の内容を刷新すると発表した(写真:ユニフォトプレス)

 2021年1月25日。この人気アトラクションを巡り、米ウォルト・ディズニーは、米国2拠点の施設の内容を刷新すると発表した。細かい内容変更はこれまでも施されてきたが、今回のリニューアルはカリフォルニアの第1号施設がオープンした1955年以来、ある意味で長年“炎上”してきた問題部分にメスが入ることになるという。

 まず、アトラクションに登場する「原住民」の表現。熱帯雨林を流れる川を遡る探検をイメージしたジャングルクルーズでは、多数の動物とともに現地に暮らす設定の人々が、オーディオアニマトロニクス(世界のディズニーパークで使用されているロボット)で表現されている。その原住民が“原始的で野蛮な首狩り族”として描かれてきたのだ。

 具体的には、その犠牲者とみられるしゃれこうべが集落に飾られていたり、威嚇するようにやりを振りかざしていたりした。こうした部分について、ディズニー側は「(刷新後は)これまでより正確に世界の多様性を映し出し、その価値を伝える内容になる」と説明する。

5人中2人を女性探検家に変更

 中身が変わる部分はほかにもある。

 例えば、サイに追いかけられた5人の探検家が1本の木に登って難を逃れようとするシーン。これまでの探検隊の構成は、白人のリーダー1人と有色人種の現地ガイド4人で、すべて男性。白人のリーダーは木の一番上にいて安全だが、一番下にいる現地ガイドの1人はサイに尻を角で突かれかけていた。

 これについても刷新後は、5人中2人が女性となり、人種もアジア人や黒人など多種多様になるほか、一番下で“怖い思い”をするのは白人男性に代わる予定だ。

 社会の変化に伴い、従来の商品名やサービスの内容が問題視され、“炎上”する現象が起きているのは日本だけではない。むしろ米国では日本よりずっと速いスピードで事態が進行していると言える。

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