商品名や宣伝文句、サービスの中身などを巡って企業が社会から「不謹慎」との指摘を受ける事例が増えている。ネット上の議論が過熱した結果、商品イメージが毀損しかけたり、サービス内容の変更に発展したりするケースも目立ってきた。社会全体の人権・男女平等・コンプライアンス意識などが高まる中で、かつて許された情報発信が通用しない時代になってきたのが背景だ。多発する企業炎上。どうすれば防ぐことができるのか。(写真:PIXTA)
シリーズ
情報発信というリスク 多発する企業炎上どう防ぐ?

全6回
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「えっ、なんで!?」ファミマ“お母さん食堂騒動”に戸惑う昭和世代
社会の変化により、消費者が「不謹慎と感じること」の範囲が急速に広がっている。昭和の時代なら称賛されたはずの商品名が、問題とみなされるケースも少なくない。その是非を巡りネット上で論争が起きれば、商品イメージにも良い影響はも…
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66年目の大改修 米ディズニー「ジャングルクルーズ」の問題部分
商品名や宣伝など企業の「表現」に対して、一段と厳しい目が注がれているのは海外でも同様だ。「不謹慎」との指摘を受けた結果、サービスの中身を見直す動きも目立つ。長年親しまれてきた米ディズニーランドの人気アトラクションとて、そ…
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時代の趨勢? 消えた「はだいろ色鉛筆」と、「美白化粧品」の運命
今は炎上していなくても将来のリスクを見込み、商品やサービスの中身を見直す。社会の変化に敏感な先進企業の間では、そんな動きも見受けられる。その結果、昭和の時代から慣れ親しまれた商品名が消える事態も起きている。
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過激化する反・不謹慎運動 小さな駄菓子店を追い詰めた「正義マン」
企業の“不謹慎な行為”への消費者の行動は、ネットでの炎上だけにとどまるわけではない。とりわけコロナ禍では、標的にした企業や店舗への物理的攻撃を仕掛ける人も増えている。事件化するリスクを顧みず行動する彼らのエネルギーはどこ…
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炎上してないのに炎上? 増幅する「ノイジーマイノリティー」の恐怖
企業の炎上に際し過激な行動に訴える「正義マン」増加の背景には、コロナ禍がある。最近は、実際には炎上していないのに炎上案件になる不可思議な状況も出現している。多発する炎上事件に企業は一体、どう向き合えばいいのか。
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ドラッカーより京都300年の知恵 情報発信をしないという選択
今の社会で炎上リスクを回避するには、情報発信に際し入念な注意を払う必要がある。より安全な戦略と考えられるのは、いっそ不特定多数への情報発信を見直すことだ。京都流「一見(いちげん)さんお断り」システムはそんな戦略を実践する…
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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不屈の路程
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ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
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10 Questions
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グルメサイトという幻
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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テスラが仕掛ける電池戦争
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回