パソコンメーカーのVAIO(長野県安曇野市)が最上位機種「VAIO Z」を6年ぶりに刷新した。社員の念願でもあったZの開発にようやく踏み切れたのは「経営基盤が整ったから」と山本知弘社長は明かす。VAIO Zは、ソニーから切り離されて再スタートを切ったVAIOが独り立ちを果たした証しといえる。VAIOはどのように復活を果たしたのだろうか。

最上位機種「VAIO Z」を発表した山本知弘社長(右)と林薫PC事業本部長(写真=古立康三)

 「速さ、スタミナ、頑丈さ、そして軽量性の均衡を破るブレークスルーを実現した」

 パソコンメーカーのVAIO(長野県安曇野市)が2月18日に開いた発表会。山本知弘社長はこう述べ、新たに発売するノートパソコンの最上位機種「VAIO Z」の商品力に自信を見せた。

 ソニーのパソコン事業が独立したVAIOにとって、2008年にソニーが発売した「type Z」以来、「Z」はノート型の最上位機種の象徴だった。そのZを刷新したのはなんと6年ぶり。ソニー時代からパソコンの開発に携わってきたPC事業本部長兼イノベーション本部長の林薫氏は「VAIOの技術者はみんなVAIO Zを作りたいと思い続けてきた」と振り返る。

 新型Zの開発プロジェクトのコード名は「FUJI」。最も困難な開発をやり遂げるという決意から、日本一の山の名を冠した。世界で初めてノートパソコンのボディー全体の素材に炭素繊維(カーボンファイバー)を採用。デスクトップパソコン向けの高性能CPU(中央演算処理装置)や最大34時間駆動の大容量電池を搭載しながら1kgを切る軽さを実現した。

カーボンファイバーの曲げ加工の量産化に成功し、世界で初めてボディー全体の素材にカーボンファイバーを採用した
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