売れ続けているグリーンティージェノベーゼ

 茶の品種を切り替える一方、パッケージデザインや店舗の改装といった、いわゆるリブランディングも進めました。それまでのパッケージは封を開けて茶筒に移し替えるものでしたが、保存しやすいファスナー付きのものに変え、お客さんが入ってきやすい雰囲気づくりも心がけています。このように取り組みは多岐にわたりますが、その中で特に手応えのあったものを聞いてみました。

 「茶葉を食べる発想で作ったグリーンティージェノベーゼという商品でしょうか。こちらはずっと売れ続けています。こういった新商品は物珍しさや面白さについ偏りがちですが、経営者としてしっかりとリターンがあり、かつおいしくて驚きのあるものを作ることを心がけています」

国産の茶の実油と茶葉を使用したグリーンティージェノベーゼ
国産の茶の実油と茶葉を使用したグリーンティージェノベーゼ

 話していて私がつくづく感じるのは、彼の時代に適応する聡明さとフットワークの軽さです。難しいことも軽々とこなしていく印象があります。

 「実際は苦労の連続ですよ。ティーバッグの商品を1つ作るにしても、茶葉のブレンドの仕方や冷えてもおいしい加工の仕方を試行錯誤するなど、2年もかかっています」

 若い世代の経営者に共通する資質ですが、横のつながりをつくるのも上手で、日本茶の実油協会を立ち上げ、お茶を化粧品にするプロジェクトを考えたり、入間市農業青年会議所の会長や入間市観光協会理事を務めたりするなど、同世代や地域の農業者とも交流を深めています。

 「狭山茶は関東圏ではそれなりに名前も知られています。自分たちもそのおかげで仕事ができています。でも、どの農業分野も同じですけど、厳しい部分ももちろんあります。だから、自分たちのファンを増やすのではなく、みんなでお茶のファンを増やしていきたい。自分もそうであったように日本茶への興味がゼロの人に1%でもいいので興味を持ってもらうようにするのが目標です」

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