「チーズの大きなうねりを楽しくつくりたい」

 私が尊敬しているのは、仕入れ先の酪農家や卸先のレストランのシェフなどチーズを取り巻く人たちと真っ向から向き合い、常に対話する彼の姿勢です。

 インスタライブを開いて全国各地のチーズ職人や養蜂家、シェフなどの話に耳を傾けているかと思えば、自身のブログでは、立ち上げ当初の苦労や失敗、コロナ禍の中で打った対策の手の内まですべてさらけ出す。さらに、チーズ業界全体へも意識を向け、2019年には、国産チーズを本格的に根付かせるために、仲間たちと一般社団法人「日本チーズ協会」を立ち上げるなど、活動は多岐にわたります。その源泉はいったいどこにあるのでしょうか。

 「1人で声を上げてもしょうがないなって思うんです。クローズドな会に未来はない。小さなパイを奪い合うのではなく、生産者や消費者の方、みんなで日本のチーズに大きなうねりを、楽しくつくりあげていきたいんです」

 CHEESE STANDが成功したのはなぜか。様々な要因が考えられますが、1つには「CRAFTSMAN=職人」がどんどん減っていく時代にあって、職人的な面がビジネスとうまく絡み合っているからではないでしょうか。

 職人技だけでは広まっていきませんし、経営的な側面がなければ残っていけません。この「クラフト×ビジネス」という観点は国産チーズだけではなく、これからの農林水産業全体にとって重要な要素ではないか。そんなことを考えました。

ブッラータからジューシーなミルクがこぼれだします
ブッラータからジューシーなミルクがこぼれだします
チーズ職人直伝「濃厚チーズ料理」の作り方

今回は、チーズ職人の藤川さんから聞いた、おすすめの調理法によるレシピを紹介します。(動画では、より詳しく「モッツァレラチーズとトマトのブルスケッタ」と「リコッタチーズのトースト」のレシピも併せて紹介しています)

チーズ職人直伝「濃厚チーズ料理」の作り方


ブッラータとフルーツのサラダ

 (材料)
・ブッラータチーズ……1個
・旬のフルーツ(今回はさくらんぼ、ブルーベリー)……適量
・オリーブオイル、ホワイトバルサミコ、塩コショウ……各適量
・あればイタリアンパセリ……適量

    (作り方)
  • ①さくらんぼは縦半分に切って、種を取り出します。
  • ②お皿にブッラータを載せ、さくらんぼとブルーベリーを添えます。
  • ③オリーブオイルとホワイトバルサミコをかけて、塩コショウします。
  • ④イタリアンパセリを添えて、できあがり。

 チーズの国内総消費量は年間約36万トン(2019年)と、6年連続で過去最高を更新しています。これは、生乳換算した場合、牛乳の市場規模に匹敵する多さです。言い換えれば、チーズは今や牛乳と並ぶほど、なじみのある食品に成長したといえます。CHEESE STANDは現在2店舗ですが、今後、東京都世田谷区に熟成チーズを扱う工房をオープンする予定で動いているそう。国産チーズの今後の飛躍が楽しみです。

この記事はシリーズ「作り手とレシピで知る「日本の食」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。