英語には音が変化するパターンがある
1つ目の学習ステップは、英語の音が変化する3つの法則を知ることです。
(法則1)リンキング
2つの単語の語尾と語頭の音がつながって聞こえることを指します。例えば、「Talk about」 が「トーク・アバウト」ではなく「トーカバゥ」に聞こえるようなケースです。フランス語の「リエゾン」と同じ現象です。
(法則2)リダクション
単語の音が消失したり極めて小さくなったりすることを指します。語尾が「b」「d」「g」「k」のときに見られます。例えば、「Good time」が「グッド・タイム」ではなく「グッタイム」と聞こえるようなケースです。
(法則3)フラッピング
単語の中の「t」の音が「d」と「r」の間のような音に変化することを指します。例えば、「Get it」が「ゲット・イット」ではなく、「ゲディッ/ゲリッ」のように聞こえるケースです。
それぞれに、ルールが適用になる条件なども決まっています。しかし、私はこうした条件まで丸暗記をするのは推奨しません。それよりも、実際のリスニング学習の中で「この単語と単語の組み合わせでは、こんな音声変化が起こるんだ」ということを覚えるほうが大事だと考えます。実際に会話するときに、ルール一つひとつを思い出していたら、リスニングもスピーキングも上達に時間がかかりすぎてしまうからです。
音の変化を文字でも確認する
2つ目の学習ステップは、文章をリスニングしながら、上述のルールを文字でも確認することです。書くほうが学習の質が上がるので、できれば音声付きの紙の教材を使用してください。まずは、Dさんがすでに取り組んでいるように、0.5倍速ほどで音声を聞き、どのルールが適用されているかを確認します。
視覚化してはっきり認識するために、聞いた音を発音記号またはカタカナで書き込むことをお勧めします。先に出した例のように「Talk about」の下に「トーカバゥ」と実際に聞こえる音を小さく書き込むのです。そして、カタカナも参照しながら聞こえてきた通りに音読しましょう。
聞きながらまねして発声する
3つ目の学習ステップは、英語を聞きながらまねして発音するシャドーイングです。重要なポイントは、音声の速さに合わせて発音することです。音声に遅れてしまう場合は、きちんと音声変化をとらえて発音できていない可能性が高いです。なぜなら、音声変化によって、発話する音の数も変化するからです。オリジナルの音声通りに発音できれば、長い文章や速いスピードでも遅れることはなくなります。
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