新年が始まる前から学習の準備を
まず1つ目は、「新年を迎える前に英語学習の準備を終わらせておくこと」です。例えば、英語学習に使うテキストやスマートフォンのアプリを購入したり英会話スクールに入会したりする、などです。これらの準備を新年になってから始めると、スタートダッシュに出遅れてしまい、「今年こそは」というモチベーションが低下し、学習の習慣が身に付く前に頓挫してしまう可能性があるからです。
学習の段取りの重要性を示す例として、「早朝学習」があります。TORAIZでも早朝学習を推奨しており、学習者には、朝起きてすぐ学習を開始できる環境をセットしておくといい、とアドバイスしています。
例えば、シャドーイングする時に使うテキストを机の上に置いたり、英語学習アプリを使うためにスマートフォンを必ず充電しておいたりする、などです。もし事前準備を怠り、朝起きてテキストがどこにあるか分からなかったり、スマートフォンの充電をしなければいけなかったりなど、環境の撹乱(かくらん)要因があると、決めた時間をしっかり学習することが難しくなってしまいます。いわば、モーニングルーティンのためのナイトルーティンと言えるでしょう。
今回の質問についても、同様のことが言えます。正月明けすぐにスタートダッシュを切るためには、年越し前に準備をしておくことが大事なのです。今のうちに英語のテキスト、英語学習のためのアプリ、英会話スクールを決定してしまいましょう。
2つ目は、「海外勤務の社内選考に合格する」「海外の見本市に出展する」「学会発表を英語で行う」など「1年後のゴールを決めること」です。内容は具体的であればあるほど、学習の効果が上がることが分かっています。詳しくは、過去の記事 「今年こそは」を繰り返さない、達成できる計画の立て方教えます で解説しています。
3つ目は、「新年からの自分の1週間のスケジュールを決めること」です。まず、自分の標準的なスケジュールをすべて書き出して確認してみましょう。特に重要なのは、自分の時間がどれだけスマートフォンに費やされているかを把握することです。
2021年に調査会社のMMD研究所(東京・港)が発表した「2021年版:スマートフォン利用者実態調査」によると、日本人の7割以上が毎日2時間以上スマートフォンを見ているといいます。スマートフォンに費やしていた時間をどう英語学習の時間に変えるかが、最大のポイントです。
私たちは通勤中など非常に多くの隙間時間をスマートフォンに費やしています。この時間を私は「スマホ時間」と呼んでいます。スマホ時間をミニマム化すれば、一定の英語学習時間をつくり出せるのは、言うまでもありません。スマホ中毒でどうしても手放せない人は、簡易的な金庫を購入し、必要な睡眠時間と学習時間を確保するために、「特定の時間はスマートフォンを金庫に入れて鍵をかける」というマイルールをつくってもいいのではないでしょうか。
4つ目は、ランチ休憩の1時間の内、30分を空いている会議室を利用したり散歩をしたりしながらのシャドーイングに充てるなど、「スマホ時間の隙間時間も活用すること」です。こうして、1週間の中で自分の学習時間を決めていきます。TORAIZでは週20時間を目標に計画を立てますが、実はスマホ時間と隙間時間を学習に充てるだけでも、1日2時間以上の学習時間が確保できる場合があります。そうすれば、週14時間以上の学習時間を捻出することができます。
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