この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の約7000人の受講生のデータと学習工学(Instructional Design)に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。

 コメント欄でビジネス英語や学習法について何でもご質問ください。また、アンケートフォームでも質問を受け付けています(こちら→日経ビジネス「その英語学習法、間違ってます!」質問受付)。

 それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。

[今回の質問]

メーカー勤務 Tさん (34歳)
私はメーカーの人事部で英語研修を担当しています。社内の英語研修の一環として、希望者が自由に参加可能なネイティブ講師による講義と英会話レッスンを週に1回、オンライン形式で設定しています。最初のうちは参加者がそれなりにいましたが、その後だんだんと減ってしまい困っています。どうすれば参加者が継続的に集まりますか?

[回答
 目に見えて参加者が減ってしまうのは非常に残念ですよね。しかし、参加者が徐々に減っていくのは、企業内で実施されている英語研修の多くで見られる現象です。

 このような状況を防ぐために、TORAIZが設計する英語研修では、教育活動の効果・効率・魅力を高めるための手法を集大成したモデルや研究分野、またはそれらを応用して学習支援環境を実現するプロセスである「インストラクショナルデザイン」の分野でよく知られている、ある大原則を前提としています。それは、「大人向けの研修と学校教育は全く違う」ということです。

 米国の成人教育研究家であるマルコム・ノウルズ氏が1970年代に提唱した「ペダゴジー(pedagogy)」と「アンドラゴジー(andoragogy)」という考え方があります(※マルコム・ノウルズ氏の「From Pedagogy to Andragogy」は記事末でリンクを紹介)。

 ノウルズ氏は、過去の知識を教え込むような伝統的な教育は、実践的なことを求められる大人の学習において、十分な教育方法ではないと考えました。

 そこで、伝統的な子供向けの教育学を意味する「ペダゴジー」に対して、大人向けの学習学を「アンドラゴジー」として区別しました。ギリシャ語で「子供に教えること」を意味する「ペダゴジー」に対して、ギリシャ語で「大人」を意味する語幹(andr)と「導く」を意味する(agogus)から「アンドラゴジー」という言葉を提唱したのです。

 では、この「ペダゴジー(子供の学び)」「アンドラゴジー(大人の学び)」の対比について見ていきます。ノウルズは次の4つの視点で対比しています。

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

次ページ ペダゴジーとアンドラゴジーを解説