英文理解には「語」より「句」が重要

 このようなスラッシュリーディングが効果的な理由について、TORAIZ語学研究所のフェローで、関西学院大学・法学部の門田修平教授の論文「英語の書きことばと話しことばはいかに関係しているか」を引用して説明します。

 まず門田教授は、高校1年~2年生、計386人の日本人英語学習者にディクテーション(読み上げられる英語を聞いて書き取ること)のテストを行い、結果を基に3つの等質グループに分けました。そして各グループそれぞれに、以下3つの英文テキストを読んでもらい、一定時間内での理解度を確認するという実験を実施しました。

・テキスト(A)
Mr. Andrews had a new telephone number. Before he got it, it was the number of a shop. The shop now had a new number, but a lot of women did not know this, so they still telephone the old one.

・テキスト(B)
Mr. Andrews / had a new telephone number. / Before he got it, / it was the number / of a shop. / The shop now / had a new number, / but a lot of women / did not know this, / so they still telephone the old one. /

・テキスト(C)
Mr. / Andrews / had / a / new / telephone / number. / Before / he / got / it, / it / was / the / number / of / a / shop. / The / shop / now / had / a / new / number, / but / a / lot / of / women / did / not / know / this, / so / they / still / telephone / the / old / one. /

 「テキスト(A)」は通常の英文で、「テキスト(B)」には句単位、「テキスト(C)」には語単位でスラッシュが入っています。

 実験の結果、句単位でスラッシュを入れた「テキスト(B)」を読んだ群の理解度が最も高いことが分かりました。次に理解度が高かったのが「テキスト(A)」、最も低かったのが「テキスト(C)」という順番でした。

 この実験において「語単位でスラッシュを入れても英文の理解度は向上せず、句単位でのスラッシュは逆に向上させる結果」となったことから、門田教授は「読解における脳内の処理は語単位ではなく、句単位で行われている可能性がある」ことを示唆しています。

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