意味理解に最適な学習プロセスとは

 まず議論すべきは、リスニングとリーディングの「意味理解」のプロセスが同一か否か、という点です。門田先生によると、リスニングとリーディングの「意味理解」については「同じ」とする説と、「異なる」とする説があるといいます。

 同じとする説の論拠には「音韻ルート説」と呼ばれる、人間が言葉の意味を理解するためには必ず音を経由する必要がある、という考え方があります。つまり、この説は「リーディングは音読もしくは黙読することで意味を理解できる」と主張しており、主にアルファベットを使う言語を研究の対象とする欧米の認知神経学者が支持しています。

 一方で、異なるとする説は「非音韻ルート」と呼ばれる、人間が言葉の意味を理解するために「音」を経由する必要はない、という考え方です。この説は、漢字など象形的で表意的な文字体系を持つ言語の研究者が主張しています。

 どちらの説が正しいかについて、結論は出ていません。「音韻ルート」「非音韻ルート」の両方を使っているという説も有力です。ではいったいどのような学習をすればいいのでしょうか。

 実は門田先生の本では、これらの説について、さらに深掘りした実験を実施しています。(実験引用元:鈴木寿一 1990 聴解練習教材のポーズが読解スピードに及ぼす影響 ことばの科学研究会1990月例会 口頭発表 神戸外語大学)

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