この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の約7000人の受講生のデータと学習工学(Instructional Design)に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。
コメント欄でビジネス英語や学習法について何でもご質問ください。また、アンケートフォームでも質問を受け付けています(こちら→日経ビジネス「その英語学習法、間違ってます!」質問受付)。
それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。
メーカー勤務 Aさん (42歳)
リスニング力を向上させるには、シャドーイングに加えて「多読が効果的」と聞いて実践しています。しかし、リスニング力の伸び悩みを感じています。特に洋画や海外のニュースなどの英語は、なんとなく聞き取れているのですが、意味までは理解できません。どのような学習をすれば、さらにリスニング力を伸ばせるのか教えてください。
リスニング力を向上させるために、シャドーイングに加えて多読をすることは、理にかなっています。第二言語習得論では、リスニングのプロセスは「音声認識」と「意味理解」に大きく分かれるといわれています。つまり、シャドーイングで「音声認識」の力をつけ、多読で「意味理解」の処理速度を上げることは、リスニング力の向上が期待できる学習法なのです。
しかし、Aさんはそれらの学習をした上でも伸び悩みを感じているということですので、現状をどのように改善すべきかについて考えてみましょう。

「音声認識」については「映画で英語を話せるようになるのか 「シャドーイング」を考える」で言及しているので、今回は「意味理解」について、関西学院大学・大学院の教授でTORAIZ語学研究所のフェローでもある言語習得の専門家・門田修平先生の著書『英語の書きことばと話しことばはいかに関係しているか』(くろしお出版)を参考にしながら、一歩踏み込んだ内容を紹介します。
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