文法チェックにおすすめのツール

 同じことが英語にも言えます。〔The movie was exciting for me.〕と〔The movie was exciting to me.〕では、どちらも文法的に正しいため、どちらのほうがより適切な使い方かは文法ルールだけでは説明できません。日本人の英語学習者にとっては、〔The movie was exciting for me.〕がより自然な気もしますが、やはり判断はつきません。

 実際に英語のネイティブ話者に確認してみたところ、「どちらでもいいが、〔The movie was exciting for me.〕のほうが自然かも」という答えが返ってきました。

 このように英語のネイティブ話者に確認できればいいのですが、常にネイティブ話者に確認できる環境にいるケースは限られます。では、英語でメールを書く際に悩んだらどうしたらいいのでしょうか。

 ここで活用するのが文法チェックツールです。特に著名なのは「Ginger(ジンジャー)」という英文添削アプリで、自然言語処理の特許を活用することにより、文脈に即した添削が可能です。そして、最近は「Grammarly(グラマリー)」もおすすめです。

 Grammarlyの優れている点は、Gingerより長文への対応力が高く、単語のスペルミスなどの単純な間違いから、複数の語で形成された言い回しまでチェックしてくれることです。また、様々なブラウザー(インターネット閲覧ソフト)やMicrosoft Officeとの連携も可能です。さらに、英語の文法的な正しさを数値化して評価までしてくれます。しかも無料です。

 もっと細かくチェックしてほしい場合は、有料のプレミアム版やビジネス版にアップグレードすることもできます。プレミアム版では、細かな語彙や言い回しのチェックと文全体の書き換えの提案や、丁寧さの調整まで行ってくれます。プレミアム版の料金は、年間契約で139.95ドルです。

 さらにビジネス版ではプレミアム版に加えて、一定のルールに応じて会社単位で固有名詞や専門用語を統一するスタイルガイド機能などもあります。まずは、無料版で試しに使ってみて必要な機能を確認するといいでしょう。

 Grammarlyを使うことで、文法的な間違いはほぼなくなるはずです。また、ライティングの学習としても無料版が活用できます。ここまで行えれば、英語のノン・ネイティブ話者としては十分だと思います。その上で、さらに細かく追求したい方は、前述の有料版のいずれかを使ってみるのもいいと思います。

 ただ、残念ながらGrammarlyにおいても、文章全体のコンテクスト(文脈)を踏まえた上で語彙や文法まで完璧にチェックすることはできず、現時点では、人間に劣る面があるのは否めません。ですから、メールより長文で複雑なリポートなどでは、正確性について心配になることもあるかもしれません。

 その場合はプレミアム版のオプションとして提供されているプルーフ・リーディング(校正)サービスを利用するという選択肢もあります。希望納期によって料金は変わりますが、例えば納期が24時間であれば1ワードあたり0.049ドルです。実際にここまで徹底する必要はあまりないとは思いますが、どうしても完璧を目指したい方は活用してみてください。

 最後にまとめると、やはり英語のネイティブ話者でない以上、どうしても文法ルールで悩む場面は出てくると思います。しかし、コミュニケーションですから過剰に悩む必要はありません。英語のネイティブ話者でない以上、最後はツールを使ってチェックすれば十分と割り切って、どんどん英語を使っていくことが上達への早道だと思います。がんばってください。

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