この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の約7000人の受講生のデータと学習工学(Instructional Design)に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。


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 それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。

[今回の質問]

IT企業勤務 Yさん (24歳)
私は、IT(情報技術)企業でプログラマーをしています。最近、海外のツールを使う機会が多くなり、英語を学習し始めたのですが、文法的に納得できない表現が多くモヤモヤしています。例えば〔The movie was exciting for me.〕と〔The movie was exciting to me.〕のどちらが正しいのか、文法的に説明できないものでしょうか? 特にメールやリポートを書くときに悩んで時間がかかってしまい、困っています。どう考えて対策したらよいか教えてください。

 Yさん、非常にいい質問だと思います。TORAIZの受講生の中にも、文法ルールで説明できないことに納得できないという方はいらっしゃいます。どちらかといえば理系で、Yさんと同じようにプログラマーなど論理性を追求する仕事をされている方が多い印象です。そして、文法ルールで説明できないことにいら立ちを感じることも多いようです。確かに〔The movie was exciting for me.〕と〔The movie was exciting to me.〕のどちらがいいのかを考え出すと、メールを書く手が止まってしまい、時間がかかってしまうということも起こり得ます。

 さて、結論から申し上げますと、日本語にも文法的に説明がつかない表現があることと同様に、すべての英語表現を文法ルールで説明することは困難です。この点を前提とした上で、英文法チェックツールを使って割り切る方法をおすすめします。

 例えば、刑事ドラマでは、観念した犯人が「私がやりました」と言うシーンをよく見ますが、「私はやりました」とは言いません。しかし、なぜ「私はやりました」がおかしいのかを文法的に説明するのは非常に困難です。

 「が」も「は」も主体を表す助詞ですが、ニュアンスの微妙な違いについて、日本語のネイティブ話者であれば感覚的には分かるものの、その理由を文法的に説明できる方は少ないのではないでしょうか。

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

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