この連載では、英語コーチング・プログラム「TORAIZ(トライズ)」の約7000人の受講生のデータと学習工学(Instructional Design)に基づき、最小の努力によって最短で英語の学習目標を達成するためのノウハウを受講生や読者の皆様からの質問に答える形でお伝えしていきます。

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 それでは今回も質問にお答えしていきたいと思います。

[今回の質問]

メーカー勤務 Tさん(24歳)
 海外部門勤務を目指して英語学習をしています。また、今後海外への留学も目標としています。そのため、「TOEFL iBT (以下、TOEFL)」で留学に必要なスコアを取りたいと思っていましたが、最近は、「IELTS」というテストもあるようです。どちらを受験すべきか悩んでいます。この2つのテストの違いと、どちらを選ぶべきかを教えてください。

 Tさん。ご質問の中で書かれている通り、この数年は確かにIELTSを受験したいという方が増えています。実は最近TORAIZの受講生の中でも、TOEFLよりIELTSを受験したいという方が増えてきています。

 ご存じの方も多いと思いますが、TOEFLは「英語で学ぶ力」を測ることを目的とし、主に大学・大学院レベルのアカデミックな場面で必要とされる、英語運用能力を測定するテストです。米国で開発されたため、北米を中心とした大学や大学院から入学に必要なスコアとして要求されることが多く、日本でも広く受験されています。

 一方で、英国のケンブリッジ大学英語検定機構と公的国際交流機関ブリティッシュ・カウンシルが開発したIELTSは、TOEFLと同様に英語運用能力を評価するテストですが、日本ではまだ比較的なじみが薄いかもしれません。IELTSには「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2つのモジュールがありますが、留学を前提とするならば、アカデミック・モジュールを受験することになります。

 IELTSは、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アイルランドのほぼ全ての高等教育機関で認定されており、米国でもアイビー・リーグ(東部の名門私立大8校)を含む約3000の高等教育機関・プログラムで採用されています。

 IELTSの受験者数は増加傾向にあります。現在、全世界で年間300万人以上が受験しており、日本でもその数は急増しています。TOEFLの年間受験者数は公表されていませんが、おそらく現在ではIELTSの受験者数がTOEFLより多いのではないかといわれています。

 さて、TOEFLとIELTSアカデミック・モジュール(以下、IELTS)の共通点は、高等教育を受けるのに必要な英語力が備わっているかを評価するため、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能を測定するテストであることです。また、米国のほとんどの大学でIELTSを認定しており、スコアが活用できる国や地域という点でもTOEFLとIELTSはほぼ共通していると言っていいでしょう。もちろん、Tさんが志望される大学で、どちらかのテストしか認定していない可能性も皆無ではないので、念のため事前にご確認ください。

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

 ところで、TOEFLとIELTS、どちらを受けるべきかを考える際には、2つのテストの違いを理解する必要があります。

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