目標の「速読力」は1分間で180単語

 もう一つ大事な要素は、速読力です。TOEIC L&Rではどのくらいの速度で文章を読めればよいのでしょうか?

 TOEIC L&Rの単語数は、平均すると7000語程度といわれています。リーディングの試験時間が75分ですから、読み通すだけでも、1分間に100語程度を読む必要があります。このような1分間で読める単語数を「WPM」と呼びます。「Words Per Minute」の頭文字を取ったものです。

 では、TOEIC L&RではどのくらいWPMがあればよいか見てみましょう。TORAIZでの経験則によると次の通りです。

【目標スコアと求められるWPM】
・500点………………120WPM
・600~700点………150WPM
・800点………………180WPM
・900点………………200WPM

 つまり、800点を目指すTさんは、180WPM程度が目標になります。恐らく現在は120WPM程度と推測しますので、速読力をかなり強化する必要があるでしょう。

 WPMを上げるためにおすすめの学習法は、聞こえてくる英語の音声を即座に復唱するシャドーイングと音読です。

 ここで、シャドーイングと音読がWPM向上になぜ役立つのかを考える人もいるかもしれません。これには第二言語習得理論による科学的理由があります。

TORAIZ語学研究所フェローで、関西学院大学教授の門田修平先生の本から引用したもの
TORAIZ語学研究所フェローで、関西学院大学教授の門田修平先生の本から引用したもの
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 関西学院大学教授の門田修平先生によれば、リーディングとは、声を出す・出さないにかかわらず復唱をするものとされています。英語ニュースなどネイティブが話すスピードは200WPM程度。例えば英語ニュースをシャドーイング、つまり復唱できれば、900点を取るのに必要な200WPMのスピードで英文を読むことが可能ということになります。

 では、どのような教材をシャドーイングに利用すればいいのでしょうか? おすすめは、自分が読んでみて内容がほぼ理解できる教材です。語彙や構文が難し過ぎるものは、内容理解に時間がかかり過ぎて、シャドーイングの練習を効率的に行うことができないため避けましょう。比較的簡単な教材で、自然な速度の英語音声が収録されている教材を選びましょう。

 以上のように、目標スコアの達成に必要な単語数と速読力を数値化して明確にし、それらに基づいた学習を行うことで、実力が着実についてきます。学習開始2カ月後からは、過去問や模試もどんどん解いていきましょう。10回ぐらい解くのが望ましいと思います。

 その際に、TOEIC L&Rの各パートの解法テクニックも併せて学ぶことが大切です。例えば、長文読解問題で構成されるパート7では、設問を読んでから問題文を読むのが効率的です。テクニックの習得に時間をかける必要はありません。あとは過去問や模試で繰り返し実践するだけです。

 このようなテクニックを知るためには、TOEIC L&R対策本も有効ですが、YouTubeにも参考になる動画があります。また、短期間の対策講座に通うことも1つの方法です。

 Tさん、覚える単語数とWPMの目標を達成し、過去問や模試を10回解けば結果は必ず出ます。頑張ってください。応援しています。

この記事はシリーズ「その英語学習法、間違ってます!」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。